'11年 3月   「 いまを大切に 」      

被災地から発信された画像



「 生きている ほかに不足が あるものか」


北海道より 小柴です。

震災から1カ月が過ぎました。
いかがお過ごしですか?

日本中が沈鬱な空気に包まれた
3月でした。
被災地ではいまもなお捜索活動が続けられ
避難生活の御苦労も今からが本格的となるようです。

多くのみんなが落ち着きを取り戻しつつある中で
被災地ではこれからが本当の闘いが
始まっていくそうです。

離れていても何らかの形で関わっている
みんな例外なく当事者です。

どのような形で手を支えてあげられるか
一生懸命考えたいと思います。
考えることが支えの一つでもあり
身の回りのやりくり一つが支援につながります。

いまの自分の仕事を見つめなおし
大きな目で 大きな社会として
仕事を通じて震災と関わっていこうと考えています。

小柴ふあーむのこども達が
被災者や支援者の慰めに役立つなら
精魂込めて仕上げていきます。

そんな気持ちにさせてくれた
この1カ月でした。

皆さんは如何だったでしょう?








今年の北海道の春は
勢いがあります。

雪解けのペースが速いようです。

特に4月に入ってからの雪解けは
みるみる進んでいます。

こうして1カ月の写真を整理してみても
3月半ばの様子が遠い過去のように思えます。

冬から春
いつもながら季節の境目は
全てを一気に過去へ押しやります。





この原稿をまとめているのは
4月13日

もう雪は降らなくなりました。
これから降るのは雨になります。

この境目も つい数日前のこと

降ってくるのは雪が当たり前だったのに
ほんの一日で
降ってくるのは雨が当たり前になります。

雨が降ると
草も カエルも 虫も 目を覚まします。
そういえばリスも目を覚ましてた。

畑の周りが足跡や鳴き声や羽音で
にぎやかになります。

畑で仕事中、孤独じゃないんですよ。







さて
今月のテーマは
「 いまを大切に 」


冒頭の写真
被災地からの発信ですが
胸が締め付けられます。

若いお母さん
お子さんはもうそれなりの重さがあるのに
しっかりと抱き抱えて
子供の体にお母さんの指が食い込んでいます。

若いお母さん
顔が歪んでいます。
鬼の形相です。
理性が感情によって内から破壊される時
顔が歪みます。



この方の状況を思いやる時
いまの自分に何の不足があろうかと
ハッと目覚めさせてくれます。

いまの日本人は贅沢慣れして
物事に鈍感になってはいまいか?

足りることが当たり前で
足りないことは文句言って当然
と思いあがってはいまいか?

被災者の方々には申し訳ないのですが
自分の生活に照らしてみて
自分のわがままを気付くいい機会になった
そういう風に感じています。

自分の身の回りを見直して
悔い改めて勘違いをリセットする
それが残された者としての一つの役割
そう感じながら
今月の報告を進めたいと思います。











1.今年の代表は一味違う





なぜかご機嫌!
その理由は、足元にあり



小樽が世界に誇る長靴
ミツウマ!

この長靴、めっけもんですよ。
軽くて 柔らかくて 暖かい

ものすごく機能的
これヒットしてるんじゃないかな










今年の我が代表は
一味違います。

病院勤務が明けて
まず最初に言い出したこと

「作業着、買いに行こう」

なんと3タイプの上下セット
を思い切って購入

綿入りタイプ
裏地付きタイプ
防風キルティングタイプ

それぞれが外気温の変化に合わせて
細かく使い分ける外套です。


外仕事の疲労軽減には
作業着の機能は欠かせません。

無駄に汗をかかず
体を冷やさず
動きやすくて 軽くて 引っかからない


作業着にこだわる今年の彼女は
一味違います。










2.ビニール掛け 開始


























私たちは 施設園芸農家です。

ビニールハウスを主体にした
生産販売農家です。


ハウスのビニール掛け
施設園芸農家の腕が問われます。

私たちの場合
45mハウスを2棟こなすのに
およそ2時間です。

もしこれが100mハウスだったら
1時間半で済ませられるでしょう。


二人きりで作業を完結するとき
仕事を標準化することの大切さを
こころから からだの底から 痛感します。

仕事は段取り命です。

ビニール掛け決行前日の
圃場の段取りで出来は決まります。

必要な備品や部品を
作業の流れに合わせて配置して
ビニール資材やバンド類も
作業の流れに合わせて解し方を変え
当日はプログラムに沿って淀みなく進めるだけ。


上手に出来た暁には
真直度も同心度もでた
しわが無くて強いハウスが出来上がります。

我が代表の段取りと補佐があって
はじめて成り立ちます。


朝一のビニール掛けで
こころもからだも今季開幕を悟ります。










3.冬も春も 行ったり来たり

































冬いまだ 行きつ戻りつ 今日は春

ビニール掛けてから降る雪
こいつが一番怖い

あっという間に潰されます。

ビニールハウスはセミモノコック構造
飛行機の構造と同じ原理で
細い骨と 薄い膜で 応力分散しながら
全体的な力に対抗します。

ビニールに積もる雪は
一方向からの分散荷重で
ある一定限度を超えると
局所荷重へ性格が変わります。

その限界が超えると一気にくしゃくしゃ。


別の日
雪の上に雨が降りました。

雪の表面がもやります。
雪が溶けている証拠です。

雪が雨で解けるとき
周囲の熱を奪います。
地表1〜2mに霧が出て辺りを漂います。

とても幻想的
とても熱力学的



そして
凍れて 溶けて 凍れて 溶けて
雪がどんどん下がっていきます。












苗立て

育苗ハウスの
温床を立ち上げます。

昨日チェックをしていて
いや〜な予感

電流を測って、やっぱり
4系統のうち 1系統の電流が低いさ。

さぁ、気合入れなおさねば。

1系統ずつ 追跡追跡
区間を区切って
一つづつ追跡

で、やっぱり断線。

我が家は3相200Vの温床線を張ってますが
3相のうち1相が死んでました。

浅い所で捕まえられました。
深いところの不具合でなくて
よかったよかった。


これで育苗ハウスも立ち上がりました。
ここから育った苗は5月10日に畑に降ります。










4.畑打ち

























































「畑打ち」
春の季語だそうです。

私たちのこの1カ月は
まさに畑打ちの1カ月
春を呼びよせる1カ月
からだとこころを目覚めさせる1カ月
でした。


ハウスにビニールを掛けてから
中の土をを乾燥して

深さ50cmから起こして
また乾燥して

肥料を振って
土を細かく砕いて
肥料とよく混ぜて
また乾燥して

そうしてやっと
定植用ベッドを造成します。

ベッドが出来上がったら
床全体を圧でビニールで覆い
小さな不織布トンネルを作り
大きなビニールトンネルを作り
トンネル裾に反射マルチを張り

それから10日間かけて
深いところの温度を上げていきます。

深さ20cmで20℃

始まりは9℃から
だから11℃の上昇を試みます。


しかも一旦上がるだけじゃだめなんです。

何回か20℃をまたいで上下することで
周辺まで熱を拡散させて
全体に熱がなじむまで待つのです。

そうして出来たベッドは
少々の悪天候では簡単に温度低下しない
タフなベッドとなります。


春の季語
「畑打ち」

イイ言葉を教えてもらいました。







ところで・・・

ご予約受付中の
アスパラ畑はどうなってるんだい?

アスパラのお届けまであと1カ月
なのに畑の様子が聞こえてこないねぇ

ということで
日々の畑の様子をお届けします。

とくとご覧ください。

















ご覧のように
日々 雪面が下がっています。
もう残り20〜30cm
あと数日で 畑地が露出するでしょう

そうなると さぁ大変

地温が上がる前に
養生を済ませねばなりません。

その工程とは・・・
また別の話。

次回報告に取っておきましょう。











5.夜の街が大好き









峠を越えて
はて、どこへ行くのやら

小樽、岩内

昔日の繁盛を偲ぶような
夜の場末

う〜ん、大好きです。

夜のとばりに漂う 少しのざわめき
男がいて 女がいて
歌があり ドラマがあり
演歌であり 艶歌である
笑いと涙と 人生がある

う〜ん、場末っていいなぁ

派手なキャバレーもいいですが
いまはグランドキャバレーは下火
(出入りできる身分でもなくなったし)

遊びは派手じゃなく 渋くやるのが
大人の気品

しかも季節は冬と決まってる
場末は冬に限ります。

雪道を背中丸めて小股で歩き
扉を開けた瞬間の別世界

馴染みのママとバイトの子
掛けてもらう言葉は必ず
「あら〜!」と決まってる

バイトの子はちょっと遠慮気味に
ママの後ろから「いらっしゃいませぇ」

どこに座ろうっかな
カウンターでいい?
とママに聞いて
邪魔にならぬように少し端寄りに腰掛ける
奥から3つ目くらいの席がちょうどいい

どうよ最近?
いやさっぱり、よく来てくれました
悪いね、なかなか寄れなくてさ
なんもなんも、たまにでも寄ってくれるとありがたいのよ

なんて会話がうれしいねぇ

何も言わなくてもボトルが降ろされ
何も言わなくてもいつもの濃さでグラスが出来る

小柴さん、この子○○ちゃん、宜しくね
○○ちゃん、こちら小柴さんよ

あ、宜しくお願いします
いや、こちらこそ

最近入ったの?
はい、2週間前から

そっかぁ、僕最近来てなかったもんね
知らないわけだ
あははは

熱いおしぼりでホッと一息入れて
一口目の水割りが喉をくぐる
ふ〜、と自然に出る溜息が
やっと似合う年になった

若いころ憧れた男の背中
ふ〜、の意味がわかってみると
かなり重いものだと気がついた

こころの鎧を脱ぐ時に
不意に口を突く人生の重みだった



なぁんてね

路地裏で健さんとすれ違いそうな
場末が好き



























いま、男の背中は
回転寿司の伝票に
恐れおののいております。

きょうは、いくら?
















今月も 有難う御座いました。

「 いまを大切に 」


一つ一つの時間
一日一日を大切に

同級生でも鬼籍に入る友人が
ぽつぽつ出始めています。

むかし仲が良かった人
殴り合いのケンカをした人
遊んでもらった人
お世話になった人

既に何人かが
あちらへ行ってしまいました。


私たちも いまは息災で降りますが
病気、事故、天災
いつどのような幕引きが待っているか
見当もつきません。

「そんな先のこと心配したって」

いえ、私たちは
あす何かあったとしても後悔しないような
納得した時間を積み上げていきたいと思います。

「いまを楽しく」派
ではなくて
「いまを大切」派
で生きていけないかなぁと
試行錯誤の毎日です。





さて
春のグリーンアスパラガス
はじめ
各種のセットをご用意して
商品紹介ページでお待ちしております。

一度お申込み頂ければ
こちらから旬の最適期に
自動的にお届けします。

北海道の旬を見逃すことなく
今年の季節を味わえます。

是非ご検討下さい。


 














被災地の方々に笑われぬよう
今年一年も大事に過ごしてまいります。

なにかの形で喜んでもらえないか
いま考えています。

せっかく生産者でいる自分達
どんな形で喜んで頂けるか
いつかホッとして頂けるように
考えています。

それが本当の仕事を自覚する
別な機会だと思います。


それではまた来月お会いしましょう。

ありがとうございました。









 


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