'10年 3月   「気、新た」      


「 人も木も 春の息吹に 気も新た」

新年度も始まりましたが
みなさん、いかがお過ごしですか?

どうも、北海道より 小柴です。

この原稿を執筆している
この2日間は
冬の最後の大暴れとも言える
暴風警報が発令されています。
本当なら畑作りに精を出すべき
この2日間を
屋内で過ごしております。

とは申しても
ほかの農家衆とは異なり
お客様への御挨拶
経理作業
資材再確認
広報作業と
普段積み残している諸々を
わが代表と一緒に
どんどん片付けております。

春の嵐
皆さんのところは 大丈夫でしたか?




冒頭の句
「人も木も 春の息吹に 気も新た」

雪が解け始め
空気が緩み始め
今までじっとしていた者たちが
徐々に生命感を醸し出し
雰囲気がなんとなく明るくなり始めます。

人間なんて大したこと無くて
植物たちの息吹に心洗われ
気をもらいながら
そして
日毎に冴えてくる陽の光に
心身ともに覚醒されて
やっとこさ 春の雰囲気に
ついていく有様です。

人間様なんて
偉そうにしていながら
その実は
自然の成行きを追いかけて
生きているものです。




今月の
テーマは
「気、新た」

自然の若芽
畑の若芽
我が家の若芽

人生 真っ只中の私たちには
若芽の姿は眩しく映ります。
静かでいながら
伝わってくるエネルギー感は
生命力そのもので
命を充填されてるような
充足感があります。

日々のことに埋没しがちな
中高年諸氏よ
若芽がもたらす気のパワーに
命を吹き込んでもらおうじゃありませんか!

春の息吹
(春の厳しさ?)

お確かめください。








1.冬はこうやって明けていく












3月

いつもの 冬の顔
そして
ときどき 春の顔

今年は雪が多かった

1月に入ってから
降り続いて 降り続いて
気がつけば
圃場の積雪は180cm

3月に入り締まってきて
ハウスの骨格をぎしぎし押し始め
除雪機を苦しめ始めた。

今年の冬は
雨が降らなかった。
それはつまり
底雪が固く締まっている
ということ。

除雪の工数も費用も
昨年の3倍は必要だった。

除雪に要した軽油は
200Lを裕に超えた。









除雪後の雪山はハウスの高さを越えた



育苗ハウスの中は未だ雪のまま



バンドの補修、なぜかニコニコ


ハウスの除雪をした後
両脇に出来る雪山は
3mを超える高さとなり
除雪機の投雪能力の
限界を超え始めた。

なかなか厳しい作業です。

これも経験をつめば
短い時間と 少ない燃料で
無駄なく積み上げられます。

少しは腕が上がったかも?
投雪後の散らかしが
かなり少なくなってきました。

山間の限られた畑
そこで育てられるメロンは
平地のそれよりグンと美味しくなる。

でもそれを実現するには
こんな陰の苦労があるのです。

美味しさの秘密は
苦労の種
だから
小柴ふあーむのこども達が
愛しいのです。

まだ十分な春といえないうちから
こうして冬は明けていくのです。










2.埋め戻す時間
















高校3年間を
離れて暮らしていた長男が
進学前の1ヵ月半を
自宅で過ごしていきました。

すでに親元を離れて
実質 自立している長男ですが
3年ぶりに
一緒に過ごして分かったのは
色々なことに堪えていたのだな
ということでした。

最初はとても大人びていたのですが
しばらく経つと
徐々に穏やかな顔に変わり
会話も何気ない話題に移り
ちょっとした横顔が
幼い頃となんら変わらないことに
気づき始めました。

3年間の寮生活
帰省は年3〜4回
しかも1週間も滞在できず
慌しく函館へ旅立つ

一見 大人びて行った顔つきの裏には
そうせざるを得ない緊張感が
あったのでしょう。

新たなる出発までの合間に
いったん緊張の糸をほぐして
素の自分に戻ってくれたのかな?

かじかむ手を温めながら
母である我が代表の負担を
少しでも減らそうと雪割を手伝った彼には
素に戻った柔和さと
3年間培った芯の強さが
うまく融和しているようでした。

吹雪の中
厳寒の中
毎日8時間近く
機械で取りきれない細部の雪を
スコップで割り続けた彼は
我が代表が目を潤ませるほどの逞しさが溢れ
私たち親を着実に超えつつある成長を
実感させてくれました。

よく言いますが
子供が家に戻り
家業を手伝い始めると
親は一気に老け込み始める
・・・
その意味を実感しました。

逞しくなった子供
こんなに頼りになるものだとは
しかも
心身ともに支えになるものだとは
いやはや
私たちも老け込むには
早いのですがねぇ
・・・























3月末

奴は旅立っていきました
朝7時前の汽車で。

これが本当の旅立ちかな?

親子で空白を取り戻した後で
奴は一気に離れていきました。

お互いの人生を鑑みると
今回の旅立ちは
本当の旅立ちに近いでしょう。

もう
互いの空白を埋め戻すことは
出来ないでしょう。
それぞれの道を
それぞれが責任持ちながら
離れたところで時々思い出して
今の自分に邁進する
そんな関係でしょうね。

現地での生活設営は
親なしで一人で試みます。

車ナシで大きな買い物をするとは
どういうことか?
一個人として銀行口座を開設するとは
どういうことか?
なにはともあれ
今晩の食事を考えるとは
どういうことか?

真の自立の第一歩です。

さて
見送る三男坊
やっぱり寂しそう?

とともに
数年後の自分を想像し
決意を見出しているのか?

多感な中学生は
「じゃあねぇ」
と、敢えて白々しく言って
長兄を見送りました。

朝 6時57分
昆布駅のホーム
親子、兄弟が互いに離れ
畑には
彼の残像が漂いました。










3.行きつ戻りつ

















なんなんでしょう
この雪は !?

3月末に
20cm 積もりました。

除雪したところが
またもや真っ白

良くあることですが
それにしても
今年の寒波はしつこいですね。

三寒四温
春の訪れをそう表現しますが
三寒四寒
今年はそんな感じです。

融けない雪は無い
と申しますが
いささか焦りますし
疲れてきます。

季節外れとは
人間様が勝手につけた名前ですが
やっぱ季節外れは
有難くないな。

今季の春は
てこずりそうです。











こんな日は
先ずどこから手を付けたら良いのか
あたまとこころを整理してから
作業にかかります。

とりあえず
軽トラの荷台の雪を撥ね退けて
「どうしようかなぁ」
と呟きながら
気を静めております。



この日
三男坊はスキー大会の遠征
札幌のテイネハイランドで
オリンピックコースを滑っておりました。

よく滑ったそうです。

この雪だもんな
滑ったでしょう。










4.仕事は進む























仕事は進みます。

タイミングを見計らい
ハウスにビニールを掛け
圃場の乾燥に入ります。

あらかた水分が飛んだところで
サブソイラで鍬入れ

大きな鋼の爪で
50cm以上の深さから
土を持ち上げ
盤を壊します。



以前
家庭菜園のプロ(!?)を自負される方から
お説教をいただきました。

「あなたがた農家は家庭菜園以下だ」

つまり
土の考え方、手間の掛け方
資材の選定や使い方
いずれをとっても
消費者の視点を持っていない。

例えば
栽培品種が少ない
流行に乗っていない
仕上げが汚い
土作りに不熱心
農薬、化学肥料に鈍感
などなど

このお説教は
一側面からの見方では
合っているかもしれません。
常にデパートの陳列棚を意識した
オールラウンド栽培を心がけよ!
そういうことに集約されるでしょう。

実際にそういった経営方針の農家も
いらっしゃいます。
それを積極的に売りにして
いい商売されてる農家も
少なからずいらっしゃいます。

でも待ってよ!

売らんが為の発想って
本末転倒じゃないかな?
売れるから50cmも土を起こすわけじゃ
ないんですよね。

売れても売れなくても
やるべきことはやるのです
自らの判断で。
流行だから栽培技術を変えることは
ありません。

品種と流行の関係も
メディアに誘導された
情報操作の感が強く
(特に日米ではね)
客観性に欠けると思います。

そういった社会現象を必要悪と認め
逆手に取った営業戦略ならそれも結構。
お互いの魂胆を利用し合う間柄で
ギラギラした眼、ギトギトした顔で
素晴らしい農産物として澄まして売れば
よろしいかと・・・。

でも、それって
本質不在のイミテーションビジネス
なんじゃなかろうか?

狐と狸の化かし合い
そんな関係をお客様と持って
なんの価値が残るのだろう?
農産物は消えモノゆえ
消えた後に残る無形の価値こそが
大切に提供されるべきものじゃないのか
私たちはそう考えておるのですが

いかがお感じでしょうか?



さてさて
私たち農家は
地下1mと会話しながら
畑を作ります。

作物の生育に大きく影響するのは
概ね 地下1m

この範囲が健全な状態であれば
作物は健やかに育ちます。

水、土、空気
微生物、有機物、微量要素

多様な気象条件
移り変わる季節変動

地下の条件も
どんどん変化しています。
その変動幅を作物の求める範囲に収める
それが私たち農家の仕事です。

自分の畑の地下1mが
どのように変化していってるか
不足ならば
どう手を加えて改善するのか

土質や水位などは
太古の地形に依存するもの
だから今の上辺の姿だけでは
読み切れません。

先ずは 作土層50cm以上
そして 構造改善1m
これ 必須です!

毎年毎年
耕して 作付けて 堆肥入れて
これを繰り返し
必要ならば地下水位に挑む

家庭菜園とは異なる視点で
畑作りを進めています。
















気を揉みながらも
定植に漕ぎ着けた
初メロン

この苗たちは
7月中旬に出荷予定
これから 約100日
気を抜けない付合いが始まります。

仕事、進んでいます。










5.パソコン








長男の嫁入り(?)道具
ノートパソコン

いまの大学は
掲示板で通知する情報を
無線LANで配信するそうで
また
レポート作成も発表活動も
パソコンで仕上げるそうです。

従いまして
大学からの生活用品のアドバイスに
パソコンが必須と明記されています。

長男は
専用パソコンを買ってもらい
まぁ、嬉しそう。
顔が紅潮しちゃって可愛い。

オンラインショップで
良いスペックをより安く

パソコンの活用次第で
生活効率が変わります。










業務用パソコンを
入れ替えました。

既に昨年度経費で
12月に購入済みでした。

でも
経験者ならお分かりと思いますが
パソコンの更新って
めちゃくちゃ気が重い作業
ですよねぇ。

しかも
OSが代替わりしていると
なおさら!

万一を考慮して
年度内業務をすべて済ませて
新PCは立上るまで相手にしない
そうやって
この時期まで先送りして来ました。

また
アプリケーションは
新旧にかかわらず
使い慣れたものが一番ラク
買い換える費用も無いしね。

なのに
OSとの相性やら
データや設定の移動やら
ストレス無く使えるまでに
1週間くらいかかりっきり。

不完全ながらも
なんとか業務を行えるように
なりましたが
やっぱり
業務用ソフトの一つが
動かなかった。

宅急便の伝票作成ソフトなのですが
これだけのために
プリンター含めて旧PCが必要。

だから
リバイス版が出されるまで
新旧PC2台を運用しなければならず
とっても使い辛いデスク周辺と
なっちゃいました。

ヤマト運輸さん!
早く対応してちょうだい!



道具は便利だけど
頼りすぎるとマズイ状況になる。

PCは不可欠な時代
でもまだ専門知識と経験がないと
使いこなせない。

マイクロソフトの営業戦略は
大嫌い!
新しいOSとPCを購入し続けないと
使えなくしちゃうぞぉ
という追い詰め方が大嫌い。

かといってMacじゃ
世間に迷惑かけるかもしれないし
・・・

パソコンビジネスは
アヘン戦争のような臭いがします。
一度手を出すと足を洗えなくさせ
しかも
鞍替えも許されない

消費者は賢くならねば
いつまでも搾取される対象だね。

いろいろな方面から
搾取されやすい弱い立場の
私たち

独立系農家の宿命ですが
いつまでもこのままじゃいませんよ。

賢くかしこく
ねっ!












今月も 有難う御座いました。

「気、新た」
如何でしたか?


この月報を書いている最中に
悪いニュースが飛び込んできました。

いまは4月14日
昨日から今日にかけて
強烈な低気圧が通過していたのは
記述のとおりですが
・・・
ビニールハウスに損傷が出ました。
そのうち1棟のビニールは
全損です。
ビリビリに破けてしまい
廃棄となります。

明日からの作業日程を
組み直さねば・・・

いまの時期は
畑作りの真っ最中なので
ハウスの状態も不完全でまちまち
そこを暴風に襲われると
弱いところから破壊する。

工数も 費用も
余計に掛かることになりました。

そして
12日に植えた初メロンの苗も
低温に襲われていて
予断を許さない状況です。

人間の非力さを感じる日々ですが
かえって
自分たちの人間力を試されている
そんな気もします。

我が代表と二人で
捨て鉢になりそうな気持ちを互いに補完し
辛い状況でもポジティブに考えようと
踏ん張っています。

夫婦の在り方を
こんな形で勉強していますが
それにしても
タフな勉強の仕方ですね。








いま、お客様へ
我が代表から御注文確認の
お電話を差し上げています。

PCに馴染まない年配の方々へ
一軒一軒
直接お声を聞いて
ご挨拶しております。

みなさんから頂くお声が
我が代表にエネルギーを注入し
今季への気力をみなぎらせて
頂いてます。

来月はアスパラ初収穫の頃
もうそんな季節なんですね
どうぞお楽しみに

それでは
また来月の報告をお楽しみに!

また お目にかかりましょう









 
発行    編集局 制作責任 小柴孝志
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