'09年 4月   「アスパラが きたぁーっ!」      

「 もう咲くの? 驚く間もなく え!?散った? 」

北海道より 小柴です。
桜前線 瞬間で通り過ぎました。

「あぁ、今年もまた早いなぁ」
なんて言ってるうちに
なんと一晩で葉桜に。
温かいぶん、ガクの緩みも早いようで
ほんのちょっとの弱雨でも
無残な朝の姿でした。

花見、間に合いませんでした。





「段取り」
職業人なら誰でも知っていることですが
仕事の出来は段取りで決まります。
経験一つずつを大切に咀嚼することで
段取りの精度は向上して
限られた時間でも
作業は速く楽に大量に
こなせます。

今年の春作業では
そのことが改めて感じられ
体も時間も 効率的に使えました。
それ即ち
こころも効率良くなっているので
全体や前後を見渡す余裕が出来て
品質向上にもつながっていきます。

なかなか腕を上げているようですぞ!







スキーも終わった春
我が三男は
新中学生として陸上部へ。

冬へのトレーニングの一環
チームで先輩やコーチにアドバイスされ
実直な三男は 即実行
大きい大会を経てから
奴の思考回路には
一つの筋が通ってきたようです。



我が長男
高校の新入寮式で
壇上からスピーチをする御身分
「皆さんも期待に胸膨らまして…」
なんて言っているのでしょうか?



わずか2年前の同じ日に
母親とともに不安な表情で
寮のベッドメイキングしてたっけ。
一旦手元を離してしまえば
子供の成長は驚く加速を見せ始める。

もうあと1年で 高校卒業ですか。





さて 今月のテーマ
「アスパラが きたぁーっ!」

皆さんに支えられて
我がふあーむも5期目に突入

今年は設備増設も無く
どちらかといえば
既存設備の充実と
運用効率の向上で
あるモノを効率よく使って
目一杯稼ぎます。

その効果は随所に出ていますが
この時期は特に
アスパラに注目!
管理手法も確立されてきて
土も年々良くなってます。
「安心・安全」 とか 「有機栽培」 とか
キャッチフレーズを並べる農家は多々あれど
やはり一番の要は
「まごころ」 と 「手間」 ですよ。
そういう点で我が家は
普通のアスパラじゃない
と自負してます。

皆さんへお届けするアスパラが
どのような日々を経て
旅立っているのか
とくとご覧下さい。

数々の写真から
畑の匂いと感触とともに
一斉に萌芽してくるアスパラの勢いが
皆さんに伝われば幸いです。





1.行きつ 戻りつ





尻別川
もれなく増量中!

川の水量が
融雪水で 大幅アップ!
怒涛の流れです。
グォーッ !! っと唸りを上げて
山が吸取りきれない水を
海へ向かって 吐き出しています。

この時期の川が
一年でもっともキレイ



南極の氷床
…ではなくて
市街地の排雪捨て場
街中では除雪した雪を
何処にもやれません。
溜まり続けます。
春先にそれを一気に回収して
河川敷や山へ捨てるのです。

これが その捨てられた雪



バックリ!
雪捨て台地の先端部分が
こういう風に亀裂、崩壊、融解を繰返し
6月頃に消滅します。

グラグラグラッ ズッシーン!



畑の雪も 後退しています。
スーッと
トーストの上のバターのように
吸込まれるように沈んで
儚く 消えていきます。






強烈なやつが たびたび襲来



5月初旬
まだまだ 霜が降ります。

少なくとも
5月20日頃まで
そう 田んぼ屋さんが田植えを始める頃
カッコウが 鳴き始める頃まで
霜は 襲ってきます。

氷も 張ります。





ふと上を見上げると
木々に緑が吹きだしている。

融雪
露土
降霜
新芽

この繰返しを 幾度と経て
春は 本格化していきます。

農作業の段取りも
畑の準備も
行きつ戻りつする自然を肌に感じて
無意識に進めていきます。

「体で覚える」
農業にとってそれは
自然を感じること
風や温度を感じて
仕事が反応すること
だと思います。









2.春の薫り(香り?)




春の到来は
色々なところで感じます。

彩り
春は風景に華やかさが加わり
明るくなります。

例えば
冬の風景
コントラスが効いて鋭いフルカラー
対して春の風景
明度が高く淡いパステルカラー

春になると気持ちまで軽くなる
パステルカラーのせいじゃないかと
感じています。



圃場周辺も
色付いてきます。

「色付く街角」 by 南沙織

ここは街角じゃないし
あれは秋の唄だし
圃場周辺の風景とは
全てに反対で真反対

でも でも でも
この写真を撮ったAM5:30
突然 聞こえてきたんです

その時から
この構成を温めていたんです。

皆さんもどうぞ 頭の中で
「色付く街角」 by 南沙織
口ずさんでみては
いかがでしょうか?



圃場のシンボル
落葉松の樹

これで カラマツと読むのですが
北海道人はものぐさなので
いきなりストレートに
「ラクヨウ」 と読む。

そういえば
北海道の百人一首も ものぐさで
上の句を読んで
上の句で取る
つまり カルタ

道民曰く
「北海道は格式ばらないのさね」

いや もうちょっと
奥ゆかしさを理解すべきと
思う。



かぼちゃ畑
堆肥散布しました。
2反6畝の畑に
乾燥重量で 4.6ton
(実体は湿気っているので、その培)

パワフルなかぼちゃは
パワフル作業で
始まります。



ご覧のように
堆肥1tonを搭載する散布機は
トラクターに牽引されます。

その操作は
牽引車両独特の感覚。

トラクターが古くて
パワステ無し。
本当の意味での
プァウワァー ステアリング

歯を食いしばりすぎて
歯茎から血が噴きます。

牽引車両のバックのとき
アタマは細かく忙しく動いて
ケツはジーっとおとなしく進む。
パワステ無しでは
レスポンス良い操作が厳しい。



堆肥を攪拌して
空気に曝す
ふわーっと 新たな香りがしてくる。

好気性菌が再活性して醸す
乳酸醗酵の匂い
そう ヤクルト系の匂い。

甘酸っぱい香りを
胸いっぱい吸込んで
気持ちが良くなる。



我が家の かぼちゃ
召上がった方達はお分かりですね!
とてもまろやかで
味が濃くて
でも後味すっきり
とにかく ふわーっと
口の中でとろけて行きます。

そのかぼちゃを作るには
海由来堆肥が必要。

ホタテや海藻、魚など
養殖や定置網、孵化採卵の廃棄物を
牛糞と木材チップで調整、醗酵

充分な有機物と 豊富なミネラルで
本来あるべき土壌へ
熟成して行く。

いい香り漂う春だからね

だから 美味しいのです。









3.アスパラ さぁ、来いっ!







4月に入り
アスパラ畑が 姿を現し始める。

2m近い雪を溶かし
地面が現われてくる。

雪が解け 水が引く
そしてアスパラが 顔を出す

一冬 雪の下で堪えてた
アスパラの株

秋、黄金色に輝き
最後まで養分を根っこに送り込んでた
あの樹たちが
一冬 雪の下で堪えていた。

よっ、大丈夫か?
おはよっ!









まず ガラ集め
アスパラの樹たちの残骸

熊手でかき集め
地肌を露出させ
バーナーで 一気に燃やす
ガラの中で害虫も越冬するので
そいつらごと
まとめて焼いちゃいます











ガラを焼払った
畝間(うねま)

さぁってとぉ…
やらねばのぉ

アスパラ管理に欠かせない
で、とても体にきつい 一仕事

それは…

堆肥撒き

堆肥約600kg満載の軽トラ
みごとに埋る
それほど
畑は柔らか フカフカ

人手で(つまり私の手)
畝間にバサバサ
堆肥を落として行く

キャリィ 頑張れ
腹こすって 亀になっても
頑張るんだ!

こうやって
畝と畝の間の溝を
堆肥で埋めていく

「追い鰹だし」
ならぬ
「追い堆肥」

冗談は抜きにして
「追い堆肥」
毎年新鮮な完熟堆肥を継ぎ足す

この堆肥は初夏に効果発揮
冬までの株養成に
じっくり効く
それが来年の味と太さを決定する


化成肥料が要らない 技術のツボ
「追い堆肥」 です。







湿気を含む堆肥 総量10ton
それを 手で スコップで…

きついんだよ、かなり
いずれ上手に機械化しないと
体が付いていけなくなる。
人間必ず年を取るからね…

この間、念仏を唱えてる
それが原動力を与えてくれる

「美味しくなぁれ 美味しくなぁれ」

奇麗事じゃなく
ホントにこう呟きながら
歯を食いしばってる
だから 堪えられる。











上手に撒けたら
次は 砕土、攪拌

堆肥が空気と一緒に
土と混ぜられる

すると
土壌菌と呼応して
善玉菌が増殖

海由来堆肥がもたらす
充分な有機物は 
アミノ酸、グルタミン酸
豊富なミネラルは
カルシウム、マグネシウム
土のスタミナとバランス
限定生産だからこその
栽培技術

畑全体から いい香り
ふわぁーっと 漂う
ヤクルト系の匂い
土が目覚めて 活動する

それを五感で確かめられる

ロータリーで
慎重に 慎重に
堆肥を土に混ぜて行く

アスパラ本体を傷つけぬよう

この時期のトラクターの運転台
半端無く寒いですよぉ〜

砕土、攪拌、整地
畑 一気にリフレッシュ
ふわふわ フカフカ のアスパラ畑
土が かわいい!

2日間
寒い運転台で過ごし
準備万端

「アスパラ  さぁ、来いっ!」



アスパラ栽培は
かんた〜ん!
とおっしゃる先輩農家は数多アリ

でも
「大変だよ?」
アスパラって

真面目にやると手間が掛かるよ

でも手間にストレートに応えてくれるのも
アスパラの醍醐味
作物と気持ちが通じる錯覚
いや、実感か?

まさに 農家の醍醐味!

組する相手は
自然と生命
そこに嘘や不公平は
無い
通用もしない









4.アスパラが きたぁーっ!




















これが
アスパラの一斉萌芽

元気のいいアスパラは
エキスも濃い
肉も多い

口の中が
アスパラ汁だらけになる

我が家のアスパラは
バター炒めに向いてません
素材の味がシッカリして
味がくどくなる

うすい塩茹で
そして
盛付け後に
塩 もう一振り

それが
ホンモノの アスパラの
楽しみ方









映像トリック
ではありません

手が小さく 指が細い?
アスパラが太く 立派?

選別された このアスパラ
重さ 40〜50g/本
スーパーのアスパラは
150g/束
つまり
このアスパラ3〜4本あれば
一束完成

おかずではありません
ステーキです
強火で短時間 炙って
岩塩ぱらぱら
仕上げは 柚子削り

それだけで 充分

ちなみに
わたし達生産者は
そんな贅沢は楽しめません

畑で生サラダを
毎日 楽しめます

うまい

「アスパラが きたぁーっ」

旬の贅沢 見参









5.メロンも忘れないでね












背丈もある雪を
除雪して建てた
ビニールハウス

土を起こし
乾かし
肥料を振って
砕土して
ベッドを作り
マルチを敷いて
保温トンネルをかけて

種々の技術を
これでもか! と投入

今年の地温上昇は
順調

間違いなく
進化を続けている

品質安定へ また前進



















苗立て

これが出来て当たり前
でも 難しい

農作は
「苗 半作」
と 言われるけど
「苗 八割」
が 実感

100日におよぶ成育期間
そのうち
育苗期は 30日
過保護は絶対ダメ
放ったらかしも全然ダメ
目配りは常にして
手間は 適期に 慎重に
水と温度は 少々厳し目に

その方が
畑に降りてから
タフで 粘り強い

不思議ですよ
ほんの小さな種一つから
小さな芽が出てきて
葉っぱが 一枚 また一枚
数が増えるたびに加速

1円玉くらいの小さな花
房が膨らみ 膨らみ
最後は2kgまでになる

その全てが
苗立てで 決まる

緊張
でも 楽しい
子育てと 全く一緒
緊張するから 楽しい











今月も 有難う御座いました。

「アスパラが きたぁーっ!」
如何でしたか?



アスパラが 一斉萌芽してくるときは
畑準備と競争です。

「まだ我慢してろよぉ」
とか
「よぉし、もういいぞぉ」
とか

人間様って勝手なもんです

そういう心境の作業を潜り抜け
準備万端 整って
ブワァーッと顔を出してきた時

きたぁーっ!

と、自然に発します。



この渾身の グリーンアスパラ
ぜひ お試し下さい!


旬を実感するなら
ぜひ御用命ください!

M〜2L混合で 切落とし無し
畑から直送
美味しさまるごとお届けします

さぁ、北海道の旬を食べて
明日への活力をゲットです!

アスパラの最盛期は まさに今 !!
この美味しさをお見逃し無く








そして 今年の新企画



スリーシーズンセットでお申込みいただくと
最良のものを 最適な時期に
自動的にお届けします。


忙しくて購入時期を逃してしまう方には
もってこい!

ぜひ お試しください。





アスパラは 旬が本当に短い
春の この時期だけ
5月上旬〜6月中旬

そして この時期は
わたし達にとっても
最高に きつい時期

5月〜7月
この3ヶ月間は
作業のピーク

アスパラ収穫
メロン定植&管理
かぼちゃ定植
圃場管理

たった二人の大切な圃場
やっと皆さんに覚え始めてもらえ
このつながりを もっと永く広く
そして
日々の生活に
北海道からエネルギーをお届けしたい

「みんな がんばれ!」

北海道の作物には
その力がある
パワーを宿した
すばらしい旬です。




それでは また お会いしましょう
農繁期の更新
やっと出来て、嬉しいなぁ

ありがとうございました。








 
発行    編集局 制作責任 小柴孝志
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