'09年 2月   「雪は友だち」      

「 冬だから 雪は友だち 楽しいよ 」

北海道より 小柴です。
九州では もう
桜が咲いたそうですね。
こちら北海道も
春は早足で訪れそうです。

相変らず 大荒れ続きです。
低気圧が通過するたびに
「暴風雪波浪 警報」
が 出されています。
「警報」 です。
「注意報」 ではありません。
やばい、のです。
この振幅の激しい天候に
交通関係者者は相当な
ご苦労されているはずです。
ねぎらい申し上げます。



「人をねぎらう」
大切なこころですね。

この冬に御世話した修学旅行
先月報告にもありましたが
冬なのに土砂降りの雨の中
生徒もイントラも
下着までずぶ濡れになりながら
スキー授業をした学校がありました。
毎回、閉校式で
引率団長が挨拶して下さる
の・で・す・がぁ〜
そこの校長先生が
こんな挨拶をして下さいました。

「 昨日は最高の天気と言いましたが
あれは間違いでした。
最悪の天気になってしまいました。
皆さんはもう 北海道に来る事はないでしょう。
まして
冬の北海道など絶対に来ないでしょう。
まぁ、文句を言わず
これも経験だと思って下さい。 」

ずぶ濡れで整列するイントラさんを背に
この御挨拶をされた校長先生は
一顧だにせず帰られました。



あるいは こんな校長先生も
おられました。
朝の開校式でのこと
低気圧の接近で猛吹雪のなか
ハゲ頭でずんぐり
掛けたメガネの奥に光る
どよ〜んとした眼
そんな親分みたいな風貌の校長先生が
生徒達をぐる〜っと見渡し
ドスの利いた声で静かに語りました.。

「 予想通りの 天気です。
(しばしの間)
いいかッ! 元気出してけぇッ!
(はぁ〜い)
声が小さい
元気出してけぇッ!
(ハーイッ)
(そして イントラへ向き直し)

不つつかな子供たちですが
どうぞ宜しくお願い致します。 」


と、深々と頭を下げたのです。



この二つの対照的な事例
引率団の先生達や高校生達
その集団の雰囲気そのものであり
当然ながら
スキーの習得も その通りでした。

教育ってなんなんだろう?
自分が保護者の一人として
学校教育と接して感じますが
教師 と 公務員
この二つの姿が
時と場合で入れ替わり現われます。
ただここの先生方で異なるのは
教師 と 公務員
の主従関係のあり方です。
どちらが目的で どちらが手段か?
当然 教師が目的の先生は
質の高い対応が見られます。

「ねぎらい」
人の苦労をおもんぱかり
感謝の意を表す
人と関わっていく中で必要な
一つのセンスですね。
日常生活で これを自然に見せられる事
大人であることの
一つの定義かもしれません。



さて 今月のテーマ
「雪は友だち」

冬に対するネガティブなイメージ
「寒くて大変ねぇ」
「負けずに頑張るんだよ」
「もの好きだねぇ」
「暖かいところがイイに決まってる」
などなど
わたし達にとっては
大きなお世話です。

冬、雪、寒さ
大好きです!
四季の移ろい
自然のダイナミックさ
地球のうごめき
宇宙のエネルギー
などを肌で感じられる
好奇心が刺激されまくる
現象の塊りです。

だから 冬の存在に対して
同情しないで下さい
励まさないで下さい
諭さないで下さい

わたし達は 好きで暮らしていますから。

冬が好き! を実感する瞬間
それは色々とあります。
それは 生活のコントラストが
強ければ強いほど
こころにしっかりと感じます。

今月はそういうコントラストを
列挙してみたいと思います。





1.食べ物のコントラスト




寒い外から 屋内に入り
ふぅ〜 っと一息ついて
メシメシ! と言いながら開ける
お弁当箱

ランチジャーから上がる湯気に
その温度以上の温もりを感じる
お昼ご飯は至福の瞬間



もしそれが ラーメンだったら?
そりゃもう最高です。
体を内側から温めてくれるのは
温かい汁物には敵いません。。



もしそれが チャーシュー麺だったら?
もう言うこと無いです。
ハグハグ、モグモグ
滅多に注文できない
ぜいたく品です。

そういえば 子供達にとって
ご馳走とは チャーシュー麺のこと
お寿司と同列に位置付けられる
特別な注文です。




夕飯時
スキー場やホテル街で
どこからともなくな漂ってくる
禁断の匂い
それは ジンギスカン!

もう暗くなり 寒くなって
でもまだ帰れる状態じゃなく
お腹空かして仕事する
ゲレンデやロッカールームで
一撃で戦意喪失させる
必殺の匂い
それが ジンギスカン

「あ〜、家帰りてぇ〜」
「あ〜、肉食いてぇ〜」
となるのです。



でも だからと言って
こんなにほお張らなくても
ねぇ〜

察するに
このCM写真は
「さぁ、美味しそうに食べて!」
とか
「もっと一生懸命食べて!」
とか
カメラマンの注文に一生懸命応えた
従業員モデルが写ってるんでしょうね。
だから これは
彼の頑張りの姿なのですが
でも
「そんなに頬張るなよ…」





事務所への差入れ
しかも 甘い物
クリームとかチョコレートの匂い
思わず唾が出てくるなど
体が即座に反応します。

ちなみに
前出の麺類、肉類の場合は
胃袋がギュ〜っと捻れます。

寒いところから帰ってきた時の
チョコレート系の魅力は
舌から顎にかけて
骨が痒くなるような沁み方です。



チョコレートと言えば
2月14日
我が家の子供たち
ちゃんともらえて帰ってきました。
小学生、中学生
それぞれフレッシュな
手作り感たっぷりの
心温まるチョコレート群
でした。
ちなみに高校生の長男
男子校で男子寮
寮母さんからのチョコレート
まさに熟練の味
でした。



寒い時期だからこそ
からだが欲するものが良く分かる。
からだがストレートに反応する。
「きょうは あれ食べたいなぁ」
と想像しながら
「こんな時にあれは最高だよな」
と仲間で慰め合いながら
きつい仕事を乗り切るのです。

そいう想像とか 思い遣りとか 会話とか
それが
冬ならではの 良さなのです。









2.忍耐のコントラスト




冬の夜
気温は急激に下がり
日中との温度差は
10℃以上にもなる。

ニセコジュニアスキーチーム
我が三男が所属する
地元スキー少年団
全国レベルの選手を輩出し
トリノ五輪大回転の吉岡大輔も
このチームのOBです。

楽しい 楽しい
とは言いながらも
やはり毎晩の練習は
忍耐も伴い始める。
とにかく夜は寒い
顔の感覚がなくなるのは当たり前
手がかじかむ 足がしびれる
体力の消耗は 半端じゃない。



でも滑り始めると
辛いことなんか構っちゃられない
チーム内のライバルを意識して
負けたくない一心で
自分の限界を超えようとする。



自分が意識する子が
なにも男子とは限らない
例えば同学年でやたら速い女子がいたら
自ずとプライドが目覚めて
その女子めがけて
限界を上げていく



自分より小柄なのに
または 年下なのに
自分より速ければ 当然
意識する相手となる



それが年上だろうと
キャッチアップする対象となる。
「自分より速いヤツ」
評価基準はいたって単純明快
闘志を剥き出しにする子もいれば
内面で静かに燃えてる子もいる
でも 「自分より速いヤツ」 を意識して
自分の限界を上げていくのは
みんな一緒。



コーチのセットする意地悪な旗門を
一つ また一つ
クリアすることに集中する。
下手なうちは
コーチの仕掛けた罠にまんまと嵌まる
罠を突破していくということは
上手になったということ。
これも いたって単純明快

言い訳は通用しません。
すべて 自分がやったこと
誰のせいにも出来ません。





練習は人間教育
スキーだけが上手くても
チームの邪魔をする姿勢は
厳しく咎められる



練習の準備や 後片付け
全部 子供たちが自分でやる
こんな時に 本性が顔を出す
それは大人も子どもも一緒。

損得考えずにひたすらやる子
意図的に態度を変える子
無意識に要領の良い子

このチームは
そんな子を放っておかない
義務を果たさない子は
練習の権利を放棄したと見なす

よって 強制帰宅となる



道具を大切にするのも重要

「父さん母さんが一生懸命働いて
買ってくれた大事な道具を
大切にしないやつは
スキーやる資格はない」

これもコーチの考えてること



だから練習の後は
スキーの雪をキチンとほろって
バンドをかけて滑走面を保護し
家に帰って 自分でワックス掛け
当たり前のこととして
身に付いていく



幼稚園児でも 手は貸さない
自分のことは 自分でしなさい
でも見守っては いてあげるから



コーチの話を聞く時
真剣です
人の話をじっと聞けることって
高校生どころか
いい歳した大人ですら
無理なことがままある。
人の話は
相手に顔を向けて 目を見て聞く
そんな訓練も 知らずに出来る



でも コーチも 大変な仕事
長距離遠征のときは
みんな学校が終り集合するのを待って
自前の車に乗合わせて
深夜の冬道を数時間かけ
200kmも 300kmも
運んでくれる。

遠征先では
レースへの段取り スタートの支援
黙々とこなしてくれる
給料以上の働きと愛情を持って
子供たちの挑戦を
受け止めてくれてる

まさに ねぎらうべき人たち





そんな中で出場する
蘭越町民スキー大会
いわゆる 「全町大会」

負けられぬもう一つの戦いが
そこにある



我が三男より速い
4年生男子の彼
同じチームの 仲良し



我が三男より うんと速い
6年生女子の彼女
同じチームの仲良しで
新学期から中学の同級生

年下にも 女子にも
負けられない戦いが
彼には あった

もう全町だとかは 関係無い
同じチーム内の戦いとなっていた



ヤツは勝った
6年生男子で2年連続
勝った



で、負けられぬ戦いの結果は
以下のとおり

6年生女子    31.0秒
6年生男子    31.6秒
4年生男子    32.2秒

6年生女子には 負けた
でも彼女から讃えられたそうだ

「きょう 速かったね」
「どっかで旗門飛ばしたんじゃないのぉ?」
気の強い彼女にしてみれば
これはとても素直で好感あるコメント
普段の練習で切磋琢磨して
互いを認めているから言える
祝勝だった



速ければ いいのよ!

などと断定的に
言う大人もいます。
でも我が家は それじゃ物足りない
こども達を間違った方向へ導くスポーツなんて
なんの意味があるのだろうか?

手足をかじかませてやるチーム練習
スタート台に立てば全員が敵
終れば一緒に帰ってくる仲間
結果を出せた子も ダメだった子も
同じ車中で数時間をともにする
勝者は敗者を思いやり
敗者は勝者を素直に認め
互いの心中を察しながら
同じ車で帰ってくる。

そして
帰宅してから部屋に入り
一人押し黙って 考え込む。

こんな経験が
大人になって役立たぬわけが無い。
ここでしか出来ない経験を
子供にさせようと思う。









3.畑のコントラスト



冬眠から目覚める時が来ました
風向旗も ちょっと疲れてますが
まだ色褪せてはいません



こいつの出番です
改造したシュータが
首を長〜くして 待ってました。



ブロアーを回して
いざ 出陣!





おーい、どこにいるー?



あー、きたきた!



奮闘中です
平年並みといえ
やはり1m30cmの雪は
厚いです。



一発では切れないので
2段切りを余儀なくされます。
3年前の大雪では
2mに達してましたが
あの時は 何段切りだったか
もう無茶苦茶な 作業でした。


<これが’05年3月の雪割り状況>

この時に比べたら
トラクターが見えてるから
まだマシだよね。
立山の雪の回廊状態でしたもの。



ことしの雪は
量のわりには手強くて
その原因が 氷の層
硬い! 本当に硬い!
だから送り速度が 上げられません。



それでも 一生懸命飛ばして
ハウスを切出しました。





農道も開けました。
あと1週間もすれば
車が入っても 大丈夫でしょう。



そして ハウス内も
排雪完了です。
作業はゆるくありませんが
1日我慢すれば
ハウス100mが きれいになる
人間の労力では
到底出来ない仕事率です。

この面積を開けるのに
消費される軽油18L
その熱量がもたらす
仕事率です。



ことしの除雪
燃料消費量は少なくありません
逆に過去2年間が
少な過ぎたのかもしれません。

雪割りして現れてくる
一冬の歴史
「この頃は雪が続いたな」
「冬なのに雨が4回も降ったっけ」
「2月後半の雪が余計だったな」

これから消え行く雪の層
徐々に顔を出す畑の土
それを眺めながら
この冬の出来事を
思い出すのです。
減り続ける雪も 桜の散るが如き
無常の侘びしさを携えます。

冬って意外と短くて
儚い季節なんですよ。
アッ という間の出来事です。









4.顔のコントラスト




我が次男は  受験生です
高校進学を控えています。

長男が南の港町へ
そして次男は北の港町へ
さすらいの港町兄弟です
日活青春映画のスターみたいです。

いつの時代の 話でしょう?

この 日活青春映画スター
さすらいの港町兄弟は
生き生きした眼の先達に
憧れています。
バスの中、汽車の中
人生の先達がどう時間を使い
どんな眼をしているか
けっこう観察しています。

オープンキャンパスなどという
営業用の表向きより
文化祭に赴いて
企画や活動を確かめてくる
先達達が如何に生き生きしているか
それが彼らの 評価基準

で、さすらいの港町兄弟に
なってしまいそうなのです。

完了形でなく 未来形なのは
合格発表は未だですから



ひとりで出陣する 後ろ姿
彼の戦いは あす
クライマックスを 迎える
試験前夜をホテルで過ごし
静かに 決戦に備えるでしょう

そのはず、です。



三男が 駅まで寄り添う
静かなエール
「がんばれ」
と以心伝心

けんかをしても
やっぱり兄弟
やつらの間には
言葉少ない絆が見える



日活青春映画スター
さすらいの港町兄弟シリーズ

「北へ挑む 次男坊」

さて その結末や如何に !?
答えは 3月17日

(かなり微妙なポジションらしいですが…)














今月も 有難う御座いました。

「雪は友だち」
如何でしたか?

この原稿を仕上げていた昨日
3月13〜14日
東京駅発着の寝台列車が
そう、ブルートレインが
廃止になりました。

もう20年も前ですが
青函連絡船が廃止になったときも
似た感覚を持ちました。

交通機関って
単なる輸送手段なのではない
それらが運ぶ人や荷物にまつわる
時間や価値も運んでいる。

この私も
気動車特急 キハ82系 とか
青函連絡船 八甲田丸とか
電車寝台特急 モハ583系とか
いまだに忘れ難い記憶
と言いますか
忘れ難い時間と匂いを
持っております。

また JALのロンドン〜成田
機内に入った瞬間のあの空気は
忘れられるものではありません。
往路は ある種の決意や悲愴を伴い
復路は 機内が既に日本国土と感じ
それぞれの表情を醸していたのだと思います。

機内食の匂い
嫌いだったけど 好きになってました



会社時代に聴いた
鹿児島出身の先輩の話

中学卒業とともに
集団就職で大阪へ。
両親に見送られて
西鹿児島駅を寝台列車で旅立った。
みんな気丈に振る舞い
送られる役をキチンと演じた。

鹿児島は周囲を山に囲まれた街
街を離れる汽車は
西郷さん終焉の地 城山の懐を
トンネルでくり貫いて
里を離れていく。

集団就職列車の中学生たち
汽車がトンネルに入って間もなく
堪え切れずに泣き始めるそうです。
一人が泣くと 連鎖反応で
次々と みんな一斉に泣き始めたそうです。

故郷を離れる決心をしたはずなのに
前に進む決意をしたはずなのに
どうしても 泣けてくる
故郷への決別の涙とも言えるのか
グーッとこらえる様な
低く押し潰した声の
辛いすすり泣き

その先輩は
50年経つ今でも
そのトンネルをくぐる時
泣けてしまって 仕様がないそうです。





ここ北海道からも
相当数の方達が地元を後にして
日本各地 いや 世界各地で
生きておられます。

日々の生活の中で
そういう方々に自分を取り戻して頂きたい
旬の食を通して我に帰って頂きたい
「旬の贅沢 こころの贅沢」
我がふあーむが目指すものは
そこにあります。

今月もありがとうございました。
間もなくハウスが出現します。
11月までのロングラン
持久走直前の心境、といえば
わかりやすいでしょうか?
新技術を投入して
より良いモノを より安定して
しかもお求めやすく
皆さんのお手元へお届けします。

どうぞご期待ください。

それでは また お会いしましょう









 
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