小柴家の風景
'08年 8月 「まず、ここまで来た」


「 チンパンジー ヒトと違うは 1% 」

北海道より 小柴です。
少し ペースを取り戻しております。

どうも 人間様は
お猿さんに較べて
そんなに偉くないようです。

「ウマvs.シマウマ」と「ヒトvs.チンパンジー」
遺伝子合致率が高いのは
どちらでしょうか?
そうです、正解は「ヒトvs.チンパン」です。
その差、わずか1%だそうです。
ヒトって、思ったほど
大したことないですよね



最近、こころから感じます
「ヒトって、大したことないなぁ」って。
ウリ科の作物を栽培していると
その一生やメカニズムを知るほど
人間様と変わらないと思います。

全て生命体の存在目的
それは
「種の保存」
ヒトだろうが
チンパンジーだろうが
メロンだろうが
かぼちゃだろうが
一生のうちに起こる変化は
「種の保存」のための
必然があるのです。

ヒトも自然界の一部だし
いや、どちらが原始的かを考えれば
作物たちのほうが
生命の先輩と言えるでしょう。
自然環境に対するタフネスさは
作物たちのほうが 格段に上
いろんな意味での包容力というか
環境変化に対する寛容さには
いつも
「かなわねぇなぁ」
と呟いております。

余計なものを削ぎ落とした
とてもシュールな状態で
わたし達に生命の目的を
教えてくれます。



今月のテーマ
「まず、ここまで来た」

先月までの忙しさに対し
今月から
特にお盆から
ちょっとずつペース配分を再構築できて
ちょっとだけ周りを見るゆとりを
取り戻しつつあります。

すると 久しぶりに
気づくことが出てきました。
冒頭の 人間様の話も そう
また 圃場の構築も そう
家族の時間も そう
いつも自分達は
進歩を心掛けてきましたが
ふと足を止めてみれば
「そういえば、そうだなぁ」
と、目に見える形で現れることが
出てきました。

「ここまで来たかぁ」
と言うには早すぎる。
だってまだ 3合目だもの。
3合目ってね
登山で言うと
ちょうど体とこころが乗ってきて
ペースが上がってくるんです。
振り返るどころか
前しか見えないところです
いい意味でね。

でも
「まず3合目かぁ、ここからいよいよだな」
とスイッチが入るところでもあるんですね。
そういう意味で
「まず、ここまで来た」
って感じなんですね。

わたし達が どんなところで
「まず…」 と思ったか
そのいくつかを紹介しましょう。

どうぞ ご覧になっていって下さい。





1.去年のトラウマ



<昨年の自家製苗・露地栽培 収穫期>

憶えていらっしゃいますか?
去年のトラブルを。
自家製苗で育成していたロットが
成熟期にスタミナ切れしたことを。




<今年の自家製苗・露地栽培 収穫期>

どうです、今年の様子は?
収穫を迎えても 余力がある
スタミナ充分な株でしょう?

いやぁ、勉強しましたよ!
種を播いてから 畑に降ろすまで
そしてその後の 栽培管理
特に温度と潅水
基本と言やぁ 基本ですが
この圃場能力と目指す出来上りとの
ギャップを埋めるのが
日々の作業
標準数値に対する修正係数を
精度あるものにするための
勉強と言えましょう。



居ますね、葉の陰に。

収穫期に葉がこの状態
よろしい!



ムッチリとした玉が
静かに眠っていますね。



如何ですか、この玉は?
お気に召しましたか?

およそ2kgに粒が揃った
美女軍団です。

ちなみにスーパー店頭に並ぶのは
1.5kg程度で ¥1,000
と思います。
我々が共撰出荷する中では
中級以下の品で、ですよ。

一方で
2kg玉の手応えと美味しさは
我が家のお客様なら
体験済みですね!
高級フルーツ店や百貨店で
¥3,000以上はする玉を
お手軽に楽しんで頂いております。



我が代表の立姿から
その勢いが伝わってきます。

一つの壁をクリアした充実感が
彼女の勢いとなって
発露されてるのです。

この瞬間は
誰にも譲れません
夫婦二人で 二人占めする
最高の瞬間です。

農家やってて よかたよぉ







2.よく、この土地で<その1>


<3年前のアスパラ畑>

田圃から 畑へ
土砂から 土へ

鍬を入れた4年前
トラクターを壊すような
硬い地面と 埋もれた石
有機物が不足して
水を吸えず 肥料を溜めず
地域の人から見放されてた
廃耕寸前の休耕田だった
我が畑


<2年前のアスパラ畑>

作物を育成するということは
畑を作るということ
それは
土を作るということ

それは自然の作用に委ねられ
人間が望む速度じゃ進んでくれない
人間は自然の作用を理解し
環境を整え 条件を満たし
促しながら
待つだけ。


<1年前のアスパラ畑>

すると、どうです?
アスパラの株たちは
こういう姿で 応えてくれるんです。


<今年のアスパラ畑>

葉の繁りは 根が張ってきた証
葉の黒さは 栄養が整ってきた証

健康な根
たらふくな有機物

管理作業は忙しくなるけれど
子が育つ嬉しい悲鳴
この先が楽しみな こども達

君たちを 守るからね
きっちり育てるからね
だから
いっしょに がんばろうね







3.よく、この土地で<その2>


かぼちゃ
よく育っています。



<今年のかぼちゃ畑>

畑一面
かぼちゃで 埋め尽くされる
やっと、ここまで
育ってくれた

お客様に渡せる かぼちゃ
これまでは 全体の1/10
それが今年は 5/10以上に
なりそうです。

生産力が上がり
品質が安定してきた
これまで打ってきた手が
奏効してきた
まず、ここまで来ました


<3年前のかぼちゃ畑>

休耕田の意味を
何も分からず 植え始めた
3年前の かぼちゃ畑
一見は 普通だったが
素顔は 悪魔

排水や 地力や
問題はあるにせよ
一番の悪魔は
ヒエ

マルチフィルムを突き破るほど
猛烈な勢いの ヒエだった
これが休耕田の
素顔だった


<2年前のかぼちゃ畑>

直ぐの生産投入はムリ!
そう判断して
1年お休み

その間なにしてたか?
ひまわりを植えて
地力増進
中耕・除草して
少しでも ヒエ撲滅

休耕田の悪魔は
簡単にそれを許さない
ひまわりは ヒエに追い越され
肥料も ヒエに吸取られ
でも 手を休めるわけにいかない
未だやれることは残っていた


<そして 排水工事>

畑全体の 水抜き
上方からの差水を絶縁すべく
深さ1mの排水路を
二重に廻らす
この効果は 雪解けで明確だった
畑に融雪水が 全く溜まらず
あっという間に 乾き始めた




そして 海由来堆肥
標準的な畑作かぼちゃに比べ
2倍は投入した
2年前のひまわりが
今年の海由来堆肥で分解され
栄養として蓄えられる




<畝間が埋め尽くされる 今年のかぼちゃ畑>

その結果が これだ!
この光景は 本当に感動的
4年目でやっと
畑らしい力を付けてきた
お客様の注文に
どう応えようか悩むこともなくなりそう
いくらでも
お出し出来ますよ!



作物は正直
畑が出来ていないと
土が出来ていないと
全然育ってくれない
当たり前だけど

土の中、土の下
地下1m以下を想像しながら
畑と会話を重ねて
その弱点を補ってやる

モノつくり
日本人の最大の武器は
組織力とモノつくり
何を作るのもそうだけど
結果が出るまでに短くて4年
大体は10年掛かる

例えば
金融市場の売買では
1分1秒の駆け引きで
お金(?)が膨らんだり しぼんだり
モノを伴わないお金が変化する
モノつくりは
そういう世界の対極にある
しかも農業は
その極致の部類といえよう



だから
モノを観るときには
その向うにいる人たちの風景に
思いを馳せて欲しい
少しだけでいいから。

費やすのは一瞬だけど
そこにそのモノがあるために
何年という時間と魂を
捧げた人たちの風景を







4.よく、この私に




何の因果か知らないけれど
ついに公職なるものを
拝命することに。

それは
「後志農業共済組合 監事」
いわゆる 会計監査役 です。

我がふあーむ
経営当初から
自力で複式簿記をつけ
そして
会計事務所に頼らずに
2年目から 青色申告に切り替え
地域では
「そんな人は珍しい」 と言われ
口の悪い人からは
「金勘定だけ一生懸命」 と言われ
でもめげずに
経営全域を自力管理して
あと一息で 黒字転換、のはず
(でもまだ 赤字なんだよなぁ)
それが役員改正時の話題に。

こんな(赤字の)私ですが
頼まれました。


<重鎮の面々>

9月初旬のある日
水稲作況調査に同行
うちの仕事が滞る焦りと
一日掛けた地域巡回への期待で
少々複雑な気分

我が代表
一人で畑を守っている
わるいなぁ…



日本人のルーツ
やっぱり お米
黄金色の田圃を見ると
なぜか こころ休まる
弥生人の魂が
いまに生きるのだろうか
(じゃぁ 縄文人の魂はどうなる?)

なにかで読みましたが
縄文人とは 日本列島の原住民で
弥生人は 半島経由で進出してきた
大陸人とのこと。
そういえば
日本海側と太平洋側では
人々の顔つきも違いますよね。

弥生人の特徴は?
小学校の社会で習いましたよね。
1.高床式住居
2.高温焼土器
3.稲作文化

狩猟文化の縄文人に比べ
稲作文化の弥生人は
食糧を安定供給できるという
一大戦略技術を手にしており
当時の世界観を一変したそうです。
あわせて高温製造技術を保有するとは
生活用品を高強度・軽量化とし
鋼を駆使した武器を保有し
すなわち
その世を支配できたわけです。

どうも天皇家というのは
それら大陸人のトップだと
言われるそうです。

本当でしょうか?
でも
技術者の観点から見れば
非常に合点がいく
説であります。



どうよ、今年の作況は?
みんな一説ぶってますが
私は新米なので
新米のことは分かりません。

でも どうやら
今年は豊作で
貧乏になるそうです。
(一定量以上は 加工米に強制供出)




なかには
こういう気の毒な方も
いらっしゃるのです。
これは 円買い…
いや 煙害…
いやいや 塩害を受けた
田圃です。

海辺リの田圃では
灌漑用水に海水が混じると
こういうことが起こるそうです。

気の毒とは思いますが
共済金が下りる方が
儲かるとか なんとか
けっこう 生臭いのです
話が。



お米
美味しいよね
腹持ちいいし
ちからが出るよね。

昔の人たちは
自分が作った白米を食べられずに
ヒエとかアワを食べていて
白米食べたさに軍隊に入り
戦争が激化して
けっきょく戦死した。
東北・北海道ではよく聞きますが
「銀シャリ食べたさに命を的にする」
これ、本当の話です。

お米抜きに
日本人というものを
語れません。







5.まず、ここまで来た




畑の奥から
なにやら 妖しげな
狼煙がたなびく

念願のひとつ
「畑で焼肉」
今年のお盆に
ついに 実現



自分達の畑で
家族みんなで
食事をする

この変哲のない
他人からみれば
ベタな夢を実現するのに
およそ10年の時間と
熱意と労力が
費やされました。

これに関してのみ
「やっと」
と強く感じました。

「やっと ここまで来ました」



家族で焼肉
北海道に渡ってきてから
初めて。

禁焼肉
禁ビール
禁ワイン

(全部 私の浪費ネタ)

でも今日は
家族のために
焼肉を一時解禁
許してください。

まずは
ウィンナー と 豚バラ

チョビチョビと
誰に急かされることもなく
誰に掻き雑ぜられることもなく
みんな 自分の納得いくように
ゆっくりと焼いて
口へ運びます。



そして メインディッシュ
おステーキ

これ あちらの世界で 教わりまして
以来 我が家の お決りです。




でも 火が強すぎまして
ふわっと 仕上がりませんでした。

やっぱ炭を水に浸けておかないと
いけませんねぇ。
(ガッテン、ガッテン!)



でも うまいっしょ!
お肉 うまいっしょ!

お肉だけでお腹いっぱいになるなんて
北海道に来てから
なかったなぁ。

町内会とかPTAとか
みんなで集まる焼肉は多けれど
ほとんどが美味しくない。
鍋奉行を自認してる人に限って
どうも料理のセンスがない

食べきれないお肉を一気に載せて
とても張り切って
鍋を掻き雑ぜてくれて
けっきょく焦げさせ
他人の皿に無理矢理載せる。

だから
「結婚できない男」 の
一人焼肉を好む心境って
けっこう共感できるのです。

自分のうんちくで
自分のペースで
迎合せずに楽しみたい。
迎合は敵意を生みますから
特に食べものの迎合は
後々 別な形で噴出しますから
みなさん
心身ともに美味しい食事を
心掛けましょう
ね!


<2枚目以降は ふわっと焼き上がり>



家族で 焼肉
その舞台設定が
一番のご馳走

その場を囲む一つ一つの全てが
自分たちが手がけた舞台

農道の石ひとつ
枕地の窪みひとつ
ハウスビニールの穴ひとつ
風に漂うメロンの草いきれ
刈り払って干せた畦草

この全てが
この時間が
愛しくて たまらない
愛しくて 愛しくて
愛しくて たまらない
この時間に酔いしれて
眼をつぶって酔いしれて
みんなの声を聞いて酔いしれて
その全ての音と匂い
そこにある全てが
愛しくてたまらない


<オヤジ 酔っ払ってます>

父ちゃんは
酔っ払いながら
泣いていた
気付かれないよう
ちょっとだけ


<3年前 鍬入れ当初>


<同じ場所で この空間>

暮れ行く盆の西日の陰で
ほんと
泣けていた

そして
看過する我が代表の思い遣りに
また泣けた








今月も 有難う御座いました。

「まず、ここまで来た」
我がふあーむの舞台設定は
どうやら一段落
基盤を何とか手に入れたようです。

ようし、これからいよいよだぞ
この基盤でどこまで頑張れるか
力試しに入るぞぉ!
今年後半の収穫も まだまだこれから
そして来年に繋げる 下地つくりもいよいよ
お盆休みに
みんなから力をもらい
畑から力をもらい
一層の気力が漲ってきました。
(体力はヘロヘロですけど)



これからの発売予定>

メロン     9月下旬〜10月上旬
かぼちゃ   10月中旬〜11月上旬


ご注文受付中!
ご注文は こちらから

メロン    2玉セット ¥2,900から
かぼちゃ  3玉セット ¥2,300から

(いずれも送料込み・全国一律料金)



まずはお手頃なセットから
どうぞ お試しください!
そして気に入っていただけたら
どんどん お代りをお申込みください。





いま圃場では
前半戦の後片付け
後半戦の栽培管理
そして病害虫防除
等々が
淡々と行われています。

小柴ふあーむのこども達を
少しでも多く 皆さんのところへお届けしたい
そう念じながら
こども達を見つめ
可愛がり
守っています。

次は10月ですね。
早いもので 初霜の便りを出せるかも。
季節の変わり目
おからだ大切に

ごきげんよう








 
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