小柴家の風景
'08年 4月 「見つめなおし」

「 女房は 平家の流れを 汲んでいた 」
(NHKラジオ 関西土曜ほっとたいむ より)

北海道より 小柴です。
あっという間の 花見でしたね。

表題の川柳
訳がわからぬ 微妙な風合いで
全く意味不明
脈絡もなく 目的語もなく
文章として全く不完全

なのに妙に 想像力が騒ぐ
不完全なるがゆえに
足りない部分を補いたくて
すごく右脳が働かせられる
不思議な 川柳です。

とにかく
訳もわからず
むふふふ…、と
ながーく、ふかーく
笑わせられる一句です。
天才的です。



4月は春まっさかり
だから風景のトーンも
明るく軽やかな 緑
のはずですが
天邪鬼な小柴ふあーむは
あえて落ち着いたトーンで
今月はまとめてみたいと思います。



畑の周囲も
桜が咲いておりました。
エゾヤマザクラ だと思うのですが
山の中とか 川べりとか 庭先とか
ぽつん…、と孤独にたたずむさくらが
多いのです。



並木のように 群れることなく
普段は周りの木々に埋もれていても
この一瞬だけは 存在感を示す
なんか 憧れるさくら達です。



さて今月は
「見つめなおし」

わたし達ふあーむも
早や4期目に突入しております。
毎年次々と課題に挑戦して来ましたが
少しは心の余裕が出来ているのか
周りや足元を見つめなおす時間が
時々訪れます。

なにかの合い間に
手を止めて 背中を伸ばして
土手に上って
ふーっと周りを見渡す。
少しの時間だけ
来し方 行く道に 思いを馳せて
「さて 今度はどうやってみようか」
とワクワクしたりとか
「やぁやぁ、こいつは早いとこ何とかしねば」
と見なければ良かったものを見たりとか
「平常心、平常心」
と呟きながら プレッシャをいなすとか

作業風景やこども達の視点を通して
いまなにを見ているかを
お伝えしていきましょう。







1.圃場 追改良




今年の春
雨が少なく
圃場改良にはもってこい
借地料改定でコストを浮かし
やりたかった圃場改良を
追加で実施



昨秋に続き 今春になって得た資材
「頑張っているあんたに使ってもらいたい」
との激励付きの資材



0.4立米クラスの バックホウ
力があり 仕事も早い





ハウス増設の準備
今期中に3棟増設
合計8棟での 全力運転
その下地つくり



早速 ハウス設営
3年前と同じく
ハウスを建てては 定植し…
の繰返し

このパターンは 体力をかなり消耗します



基線設定から完成まで
約1週間の工程
出来てしまえば
前からあったような
当たり前の光景



この3年間で
圃場への手の加え方も
だいぶ分かってきたようで
タイミングを逃さず
ズバッと決行できるように
なりました。







2.根っこ



昨年の大反省


後半戦の品質低下の原因は


育苗温度が高すぎて
根が早くに老化してしまい
根数が著しく少なかった

〔根量〕 = 〔根数〕 × 〔根長〕

定植後はその根が伸張するだけ
根数が少なければ
いくら根長が頑張っても
根量は減少する
成熟期に必要なスタミナが足りず
あえなくダウン

今年は最初に
育苗条件を修正しながら
タネを300粒も費やして
根数が確保できる条件を
研究した



発芽時に既に
たっぷりの太い根
これが増殖する



それが こんなにタップリの
苗になる
根量が多い苗は
鉢を抜いても
土が崩れない



これが今年の 新兵器
育苗ハウスの温度を抑え
鉢温度も暴走しない

光量は減るが
そのぶん 根はじっくり育つ

今年の改良点が 上手く行ったかどうか
それはは まだ分からない
とりあえず 昨期の反省点を踏襲しただけ
結果は 9月〜10月にわかる

さて どうなんだろう







3.家出した 次男

先月号で報告した
次男の 自分探し
「出てけ!」 と一喝され
青くなって貯金全額おろして
もう戻れないんだ…、と思い詰め
旅立った 次男の眼
持ち帰った写真から
その興味の対象が垣間見えた














夜行列車に乗り継いで
向かった先は 大阪
家を出てから20時間
別世界に降り立った











都会の雰囲気に
呑まれそう

















キーワード
「戦国時代」
「新撰組」
「食」

西本願寺に油小路
キーワードとどう関係あるのか
それが分かる貴方は
通とお見受けいたす















手軽なものばかり
でも その値段と質のバランスに
かなり恐れ入ったようす
シンプルなものほど
良し悪しが分かりやすい












変なモノ
関西の感覚は
目が点になる



興味のある歴史に
生で触れてくる

ドラマの世界で見た 秀吉グッズ
まさにそれが 目の前にある

抗争や暗殺に明け暮れた幕末
その現場のいまを確かめてくる

噂に聞いた食の世界を
その舌で味わってくる

見たことのない奇抜なブツに
そこかしこで出会ってくる

ヤツはなにを感じたのか知らないけど
帰ってきてから
やけに勉強に打ち込むようになった
なにを見つけてきたのだろうか
それとも見つけに行くための準備なのか







4.畑作り


畑作りは
見つめなおしの連続
今やっていることの結果は
早くても4ヵ月後にしか出ない
脚の長いものは 数年後になる
仕込む時は
「よぉーし、これで良くなるぞぉ」
結果を見て
「あぁ、やっぱダメなんだぁ」

そうやって
コアの部分をフォーカスアウトしていく
いろんな情報を 分析して 総合して
地下との対話を繰り返す
そう、根は地下深く潜るのだから















堆肥を畝間に
ドサドサ 落としていきます。
毎年 ドサドサ 落としていきます。
海由来のハイパワー堆肥
海のダシが効いてるよ
中屋農園の堆肥の後を継ぐ
魚貝・海藻ベースの海由来堆肥
さらに濃い海のエキスが
海の恵みが含まれている



海由来の堆肥って
入手出来ない生産地が多い
水産業が盛んなところの近所であること
それが絶対条件
海と山の幸の融合
それが出来る生産地は
実は限られている

家畜糞尿のみのバーク堆肥
これは一般的
どこでも手に入るし
内陸の生産地ではこれが殆ど
でもこの堆肥では
チッソ や カリ に成分が偏り
カルシウム、リン酸、マグネシウムが
欠乏する

アスパラはタフだから
成分バランスが崩れていても
そこそこに育ちはする
でもわたし達はメロン屋のプライドを持つ
成分バランスの良否で
土が壊れ 化成肥料に依存し
収量は下がり 味もエグくなる
それを知っている

地上から流れ出た重要な要素は
川を流れ 海水に溶け込み
魚介類が取り込んで蓄積している
だから海由来の堆肥は
水産物経由で流亡成分の殆どが
回収できる
作物が欲する成分を
特に カルシウム、リン酸、マグネシウム を
きっちり与えることが出来る
さらに加えて
アミノ酸・グルタミン酸の高分子タンパクを
直接与えられる

栄養バランスが整って
高分子タンパクを直接吸い上げられるから
根は育ちやすく 病気になりずらく
肥切れが起きず 限界まで頑張れる
素直に蓄えた有機養分だから
出来た作物にも
高度に純粋な味が
濃厚に凝縮されている

カルシウム、リン酸、マグネシウム
これをふんだんに投入して
高度にバランスした畑って
そんなには ない
その差は 食べれば判る

家畜糞バーク堆肥は あたりまえ
その投入を喧伝するのは
「手打ち蕎麦」 みたいなもの
(手打ち? あたりまえじゃん!)
「堆肥たっぷり」 とか 「堆肥投入」 の
当たり前の喧伝に誤魔化されないでね
大切なのは
「どんな堆肥?」 ですから

カルシウム、リン酸、マグネシウム
覚えといてください
作物の健康の決め手は
堆肥の質であり
それは 味の決め手 だから…











そうやって手間を掛けて
4月末の一斉萌芽を迎えたのです。
海の恵みは
成育に直結する成分
だから 毎年 株の具合は良くなるし
芽の勢いがついてくる





我がアスパラ畑は
約 2反歩
≒  2,000平米
≒       670坪
≒ 30m × 67m

狭い
採算ベースには乗らない
でも
夫婦2人で納得いくメンテをするなら
この程度(+もうちょっと)

みなさんから 可愛がって頂ければ
それが採算と 考える

「アスパラは 楽に儲けられる」
そう考える生産者が多いけど
我が家は
「アスパラ、手間かかるよな」
「手間には際限ないね」
と思っている。
捨て作りのアスパラを
「有機無農薬」と誤魔化したくないし
除草剤多用のメンテを
「きれいな畑」と言いたくない。

きちんと面倒は見てやるし
必要な治療は暫時してやる。
すなわち
こどもと一緒なんです。
みなさん
子育ての心理を連想頂ければ
わたし達の栽培方針を
理解いただけると思います。

つまり、そういうことです。







早朝、気温が上がらぬうちに
アスパラが冷え切ってる時に収穫して
寝かせず保管

搬送待ちのほんの時間でも
日陰で 温度を上げず
寝かせず 保管

コンクリート打ちの涼しい作業場で
すぐに詰込み 昼に発送
畑の汁が乾ききらないうちに
畑の土が付いたままで
クール宅急便の冷蔵庫に入ります。

もし お客様が
百貨店贈答品売場での
プレミア付き商品などをお望みなら
止めといた方が良いですよ
我が家の価値観は
違うところにありますから。

見た目の整然さ、清潔感より
畑直送の本質勝負です。
虚飾を可能な限りこそぎ落とし
絶対価値のみを抽出したい
それは
食べていただければ
判ります。







5.こどもの日




こどもの日のイベント
畑のお手伝い

札幌からは
ガソリン炊いて お金を払って
農業体験に来られる方が
大勢いらっしゃる

我が家は
農業体験だらけ
土盛り、整地、草刈り、草取り
これが根幹なる
大切な農業体験

よいか こども達
仕事とはなぁ、地味の積重ねだぞ
それを知る上司に巡り会えると
いいなぁ



午後3時
みんなのお陰で
雨の前に作業完了

作業中はどやされもしたけど
注意を良く聞き届け
根気強く 頑張ったな

我が家の こどもの日
このあと
温泉に行って 湯上りファンタ
お家に帰ったら
我が代表の 「おかえりー!」 と
出来たての 湯気立つご飯

足元の贅沢を噛み締めて
長男は また旅立ちました。










今月もありがとうございました。

ことしの春は早かった
そんな年に怖いのが


我が家のアスパラもやられました
4月26日 と 5月12日
我が家のアスパラは濃厚なせいか
他所のアスパラよりも
耐霜性が強いみたい
被害は近隣では極小の部類
圃場の地理的条件もあるのでしょうが。

道央・道北地方のアスパラ産地は
被害額が大きいようで
アスパラの出荷そのものが
停止に追い込まれているそうです。
我が家も4月26日の被害後は
復活に10日ほど掛かりました。
露地アスパラは旨いんだけど
これが怖いんです。



全国的にアスパラの価格も上がるでしょう。
生産者価格は相変らずですが
消費者価格は間違いなく上がるでしょう。
中間の方たちの価格操作で
上がるでしょう。

こんな時こそ
我が家のポリシー
「旬の贅沢 こころの贅沢」 を
実感してみてください。
きっと御満足いただける思います。

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そういえば
紫アスパラ

最近流行ですね
メディアでも取上げられておりますが
我が家でも試験栽培していたんですよ
ご注文のお客様に
少量ずつ添えさせてもらってたんです。

生産者の間でも
紫アスパラに勝負を掛けている方が
少なからずいらっしゃいます。
曰く 「目にいい」
曰く 「生で食べられる」
曰く 「甘味が強い」

我が家も3年ほど
モニターの意見を集めていましたが
紫アスパラは 止めます。
どうやら
きちんと育てたグリーンなら
紫の優位は無くなるようです。
生で食べられるのは グリーンも一緒

つまり
きちんと育てて きちんと輸送すれば
変り種でお客様を惑わす必要はない
との結論に達しました。
きちんとした「畑のグリーンアスパラ」
これを磨き上げることが
我が家の方針に合致すると
思い至りました。

流行や虚飾で
お客様を惑わすことは致しません。
信用できる定番商品
これをきちんと育てたいと思います。



来月報告は どんな話題になるのでしょうか
わたし達にも想像つきませんが
順調な成育と 好調な反響を
報告できればと考えております。

では来月報告まで
お元気で







 
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