小柴家の風景
'06年 5月 「生命充る」

「 時はいま 天が下る 五月哉 」

(ときはいま あめがしたしる さつきかな)

北海道より 小柴です。

いや大した意味は無いです
ちょっと光秀さんをTVで拝見して
「本能寺の季節なのねぇ」
と思っただけでして。



お勤め経験し者なれば
丹波守光秀殿と筑前守秀吉殿の対比は
まこと切実なるもの。
某(それがし)は不器用候えば光秀派なれど
内なる何処にか秀吉殿への嫉妬を感じつつ候。
「あぁいうのは嫌い!」
(某には真似できぬゆえ…)
(某にあらざればなすべきか…)
(某とて…)

なんで侍言葉なんでしょうか?
ははは…。



畑では 新芽真っ盛りです!
明るい緑に囲まれて
心身ともに健康的環境で
じつに健やかに 朗らかに
栽培活動に傾注しております。
(でも本当は もうヘロヘロなのでして…)



新緑充満をお伝えする今月のテーマは
「生命充る」

春は新しい生命の息吹きが
圃場いっぱいに広がります。
たとえそれが野草であれ
芽吹く時の緑は 可愛いものです。
新芽、新緑に充たされる圃場
生命充る匂いが伝われば幸いです。
どうぞお楽しみください!







1.衣替え




圃場のシンボル
落葉松(からまつ)の大木
今月新たなシンボルが
一つ増えました。



「火の用心」
ようてい山麓消防組合
火災予防運動協賛

動力電源(三相200V)
受電柱の先端
ハウスてんこちょより
2mは高い
これだけ旗を高く
掲げる農家も珍しい
でもそれには 理由がある

風を読むときに
境界層や乱流の影響を
出来るだけ減らすため
地表構造物から抜きん出て
出来るだけ高く離す。

面白いですよ、旗を見ていると。
これが我が家の
風見鶏です。





雪が無くなりました
と、明日言えそうです。
今日は5月17日
圃場最後の雪が残ります。



右側奥
やはりここが最後まで残りました。



3月27日
除雪ほぼ完了時の 同じ場所
除雪ブロアーで積上げた雪壁は
ハウスの棟を
軽く凌いでいました。
(カメラマンの足下でさえハウスより高い)



この日、5月17日午後2時頃
この最後の雪が
土に吸い込まれていきました。





アンヌプリも化粧落し
最初はエレキングみたいだったのが
残雪の輪郭が
かすれ始めました。
融雪期に入ってから
雪崩が発生してました。
その日、山が不自然に
地肌を曝してました。



さくら
エゾヤマザクラ か ヤエザクラ
北海道では染井吉野は希少
たぶん札幌辺りが北限かも。



咲き方は慎み深く
されど色ははるかに濃く
残雪を背に じっと健気に
我慢して咲きます。



我が圃場のメインシンボル
落葉松の木。
5月中ごろになり
やっと緑掛かってきました。
針葉樹でも 新緑です。




小っちゃい育苗ハウス
廃物利用で 造ったよ



2.ハウスは小宇宙



メロンは一気に 加速です。
新しい命を宿すために
樹は力をつけようと
葉を増やし 広げます。



この葉っぱ
黒光りする肉厚の葉っぱ
大きさは まだまだですが
充実度は 悪くない。
作物は肥料で育つのではなく
あくまで光合成が いのちの源です
自分の食い扶持は
自分で稼いでいるのです。

肥料は 触媒的機能を
多分に担います。



花が咲く頃
またこの人たちに登場願います。
ハチだ!



おーおー、元気いいどー!
春一番の巣箱入口には
彼らの抜け殻が 散乱してます。
中から自分で歩いて出てきて
入口周辺で変態し
もの凄いエネルギを使って
抜け殻を切り離していきます。
(全力飛行状態で 抜け殻を振りほどきます)



この人は
ハウス内で徹夜か、不寝番をしたようです。
温度が上がってくるまで
じっと我慢のミツバチ君なのです。





可憐な膨らみ
透き通るような艶やかさ
まさに開かんとする 花



播種から約70日
定植から約40日
そこで花を咲けるよう
種を撒く時から
誘導するのです。























おいで おいで
さぁ 中へ入って いらっしゃいな
甘〜い世界の 誘惑だよ



妖しく 艶めかしく 魅惑する
それが
「花」の本質なり



そして 新しい生命が
宿りました。



ハウス内には
カエルやてんとう虫
クモなどの益虫
またはアブラムシや
ダニなどの害虫が
一つの生態系を作っています。
この生態系がバランスしているときは
消毒や駆除の必要はありません。

種々の生命で形成される
一つの小宇宙
作物栽培の 原点です。







3.今年のアスパラ
     来年のアスパラ




ほんの少量
ごく少量ですが
初物グリーンアスパラを
お届けできました。

昨年定植した3年生株が
ちょっとだけ生命を 分け与えてくれました。
それはそれは おいしかったぞ!

「畑のグリーンアスパラ」


私たち生産者が
圃場で確かめる味を
そのままお届けしました。
収穫時に私たちは
アスパラを生でポリポリ食べます。
そうして毎日 味を確認します。

でもその時
根元側半分しか 食べないんです。
穂先側半分は 捨てます。
生だから味の違いがわかり
それは根元に凝縮されている
…のです。

萌芽、それは生命のほとばしり



だから 皆さんにお届けするモノは
根元を切りません!
市場出荷、系統出荷では
絶対に許されないこと。
しかし最も美味しく柔らかい
根元3センチをなぜ!?

直接お訪ねくださるお客様だから
最も自信のある部分を
お届けしたかったのです。



1.5kgパックは これくらい。
意外と多いでしょ?
これなら 少なくとも 3ラウンドは
いけるんじゃないかな?

で、評判はどうかって?
もちろん OK!
ヨカッタァ! 狙い的中!!
いままで食べられなかった
地際の凝縮部分の価値を
多くの方に認めてもらえました。





さくら前線とともに
アスパラは萌芽してきました。





日を追うごとに
太いのがバンバン出てきて
約1週間でMax.に!




試験栽培の小さな圃場でも
けっこうな勢いがありました。



勢いがあるうちは
切ることが刺激となり
萌芽を促進します。



そして いま
アスパラ株は 茎を伸ばし
疲れを癒しています。
つぎの生命への 準備です。







今年の試験栽培は
結果すこぶる 良好でした。
すかさず来年の 増設準備です。

苗や畑の準備に大忙しです。



これ、来年のアスパラです。
身長10cmの 30日苗です。
直球ど真ん中の 新しい生命
2、600本の 生命たち



で、畑に降ろす前に
ポットでさらに1ヶ月ほど育て
30cmくらいまで 頑丈にします。
通称「鉢上げ」です。



畑の「縁切り」
覚えてらっしゃいますか?
昨秋の工事結果です。

狙い通り 水位は下がっています。
土手法面の湿りがわかりますか?
地中の余計な水分が
こうして徐々に抜けていくのです。



そして ふたたび サブソイラ
鉄の爪で 地中70cm近く
切り裂きます。
硬い地盤を破砕して
水抜けを良くします。
と同時に地中に空気を入れ
畑を内側からも 乾かします。

 

でも必ず付きまとうのが
石(いし)。
Stone というより Rock かも。
地中にガッツリ埋め込まれている石が
サブソイラで切り離されて
地表近くへ浮かんできます。

これが曲者。
ロータリーを掛けると
自重500kgもある回転体が
20〜30cmも 飛び上がります。
当たり所がまずければ 破損です。

最後は人手で
掘出して 転がして 持ち上げて
運んで 棄てます。
これを無限に 永遠に。
この畑と付き合うための
宿命です。



そして 堆肥搬入。
飴色の宝石、です。
昨秋に仕込んだ 堆肥です。
一冬で こんなイイ色、イイ匂いに
仕上がりました。
栄養と善玉菌の 塊りです。
このひと山の中にも
生命の小宇宙があるのですよ。



こうして 来年のアスパラが
準備されています。
本畑への定植は 6月下旬。
うまく来春の収穫に つなげたい
いや つなげるべき。
皆さんにご案内する 来春のアスパラは
この準備の結果
…と、なりますよう。







4.相棒



これからニトリル手袋を履いて
「さぁて 芯摘みだ」
すっかり北海道弁で呟くのは
我が代表。
細かい手仕事と観察は
女性がより 適している。

性差別と言わないでネ
女性の備える母性本能は
男性がどうがんばたって
適わないんだよ。
日々の仕事で 痛感するのさネ。



ハウスを見回る 我が代表
芯摘み際中でも
天候変化に神経を張り
換気・温度管理が 続きます。



圃場内を移動する 我が代表
小さい畑といいながら
それでも 100m×160m。
効率よい段取りが
成果を左右します。



草取りに没頭する 我が代表
なかなかイイ 腰の踏ん張りだ!
栽培地内の除草は 手仕事です。
だから 暇さえあれば
草取りです(暇などないが)。

アスパラ おいしいっしょ?
メロン おいしいっしょ?
かぼちゃ おいしいはずだよ!
ばれいしょ もね。
だって、これだけ
手を掛けているんだから。
つい そう思いたくなるほど
一箇所ずつに 一株ごとに
気持ちと体力と 汗が滴っています。

手間をかける
||
エネルギー移譲
||
生命力の伝達

なぁんてね、かっこええじゃん!



別な相棒
ゴム長ぐつ



こちらは 更新できる相棒。
(いや 裏含みはないですが)
丸2年使い込んで
さすがにゴム劣化著しく
今年に入って クラックの嵐
水漏れ甲介 状態でした。



たかがゴム長と 侮る無かれ。
このメーカーでないと ダメなのさ。
つま先の柔らかさや 足首のフィット感
靴底のダイレクト感とクッション感
挙げればキリがありません。



やっぱゴム製品は
まかせて安心 岡本理研!
(旧社名だな)
生命を扱うゴム製品は
やっぱ ここでしょう!







5.青い生命




青いジャージに包まれた
青い生命たち
生意気こいても
可愛いんです。

 

長男坊は もう中3
久しぶりに 走る姿を見ましたが
もう大人の走りに なっていました。
つまり
地を蹴る瞬間に 地響きが伴う
力漲る迫力を横溢させ
加速と持続が 伝わってくるのです。

もう 一緒に走ることは ないでしょう。



 

先生方も ご苦労様です。
子供達以上のテンションが必要
グラウンド中に 先生の声が通り
照れるこども達を
グイグイ引っ張ってました。



良好な自然環境に加え
元気な大人たちに囲まれる事が
地域風土を育む 根本です。
大人はいつも 子供に見られています。
常にいろいろ伝え続けること
それが大事ですよね。







今月も有難うございました。

5〜6月は 1年で最もきつい時期
標準工数で計算すれば
(24hr稼動×2人)/day となります。
まともな工数計算で計画すると
商売になりませんので
〔昨年実績〕+〔今年の気合〕 で
計画していきます。



1ヶ月で2か月分の工数
そして雨による作業遅延
機械故障や体力的制約による中断
これらを見越す安全係数も必要
自分達の限界を探りながら
一年ずつ繰返しです。



でも過渡期を過ぎて
自分達の仕事を俯瞰してみると
けっこう穏やかに とうとうと
でも確実に 意外な速さで
流れているのかもしれません。

それは 川の流れそのものかも。
流れの内側は激しく渦巻いて
されど川面は何食わぬ顔で流れていく。
自然と付き合っていると
人間の小ささを感ぜずには居れません。
ひょっとしたら
生命体のなかで 一番ちっぽけなのは
私たち 人間かも。


それではまた来月 お会いしましょう





 
発行    編集局 制作責任 小柴孝志
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