小柴家の風景
'06年 4月 「みんな新しい季節」

「 過ぎたれば 名残り惜しけり 消える雪 」

北海道より 小柴です。

北海道にも桜前線が上陸しました。
5月7日、函館で開花宣言です。
皆さんのGWは如何でしたか?
ことし序盤戦の疲れを癒せたでしょうか?
それとも家庭行事で 別な意味でお疲れ?

私たちの畑も 雪がすっかり消えました。
ついこの間まで そこにあった雪が
すーっと 消えてなくなる。
その儚さにしばし 気を留める時期です。



今月の報告では
予定通り「初定植」を お伝えできます。
よかったなぁ!
自然の合い間をくぐりながら
人間が勝手に立てた予定表に
仕事が乗っかってくれました。
今年度の第1課題をクリアです。



初定植をお伝えする今月のテーマは
「みんな新しい季節」

季節も 仕事も 学校も 日常も
みんなにとって 新しい試みが伴いました。
そんな空気が伝われば幸いです。
どうぞお楽しみください!







1.新しい季節


春です。


こんなに雪があっても
春です。

2月度報告から御覧いただけると
この雪の少なさが
分かっていただけますよね。



圃場の雪解けは 行きつ戻りつ
暖かいと思っても まだ氷点下


晴れたと思ったら 強霜に襲われたり
霜と言うより 凍れがきつい


手をかじかませながらの作業が
根気強く続きます。





尻別川が 溢れそう
みるみる水かさが 上がってくる
雪解け水独特の 青白い深みが膨らんで
暴れた波頭が 白く弾け踊ります

淵のかげり 瀬のきらめき
残雪が光を吸い取って
賑やかだけど うるさくない世界





先に顔出した土たちは
解けて凍れて また解けて
天然のフリーズド ドライで
寒い中でも 乾いて行きます







2.新しい生活


ことし、新学期の記念写真


1年前、いよいよ農家開業の記念写真


2年前、渡道直後の記念写真

夫の引き締まりもさることながら
我が代表、引き締まったねぇ!
それもそのはず
いまでは30kgの米袋を
難なくアパート3Fまで。
20kgの肥料袋を 首から下げて
50mハウスを何往復もする 肥料振り。
素晴らしい 肉体改造です。



新しい生活 その1
新・中学生となりました。
学年10名から60名への環境変化
周りは知り合い同士のようだが
彼には いない

まぁでも、静岡で喧騒は経験済み
かえってこれからやり易いのかもね!


新生活 その2
4年生です。
彼にとって一番の変化は
一人で登下校することです。
これまでは必ず 兄ちゃんが一緒でした。
兄ちゃんにまとわりつくように 歩いていました。



「寂しいわけなんか ないじゃん!」
始業式の日 大見得を切って行きました。
が、うしろ姿に哀愁が漂ってました。
9歳なりの「男の背中」です。









3.新しい準備

ことしから挑戦
無加温でのギリギリの早出し!
まずは圃場準備 その後
をお伝えしましょう。

先月報告では
ベッド造りまで行きましたね。
なんといっても 早出しは5連発。
4月10日〜5月10日の1ヶ月間
ハウス5棟を準備し、続々と実戦投入します。



まず雪割り、そして雪解け
ビニール掛けて乾燥



粗水が抜けたら 深く粗く耕起
余計な水分を散らし 施肥・砕土
更に乾燥を進め ベッド造成・マルチング



作業通路もポリフィルムで覆い
地温をグーっと上げ始めます。



さらに不織布とビニールで
2重トンネルを設置
対流を細かく区切り
断熱・保温に務めます



日出時 最低地温が16℃以上になったら
苗をベッドに降ろします。
つまり「定植」です。

正確には
Min.16℃以上になったら…
ではなく
予定日までにMin.16℃以上にする
のです。







忘れてはいけない
「苗さま」
「さま」付けて御呼び申し上げます。
「苗さま」



我が家はまだ 購入苗
だから苗が一番偉い
これが苗立てから始めると
一番偉いのは「種さま」



全てはここから始まる
そう 農業経営の原点
これを健全に育て完結させるのが
農業の根幹です。



ちょっとした環境変化にも
敏感に反応する 弱々しさ
風に当てず 温かく
だけど乾かし 暑くせず
水分と光はたっぷりと

奴らは我が侭で贅沢
しかし言いなりにすると 脆弱に育ち
ちょっと厳しめにストレスを掛けると
タフで我慢強く 自活力ある苗に育つ
人間の幼少期と一緒です。







4.新しい経験

それはつまり この時期の定植!
やっと ここに漕ぎ付けた!
という感じです。



3m近い雪に埋もれていた場所に
いまこうして苗が降ろされる
この1ヶ月間は 全て新しい経験









悦びに似た感情を楽しみながら
黙々と定植作業に傾注します。










132株 植え終わりました。
不織布トンネルを掛けて
作業を振り返る一瞬
安堵と期待と不安が
胸中で交錯します。




まずは 今年の第一課題を クリアできました。
「ほんとに やるのかぁい?」
と、薄ら笑いで眺められても
やってみなけりゃ分からない。
どんな先輩農家だって
いつも最初は1年。
私たちも、あとに続いているだけです。



事実、「毎年1年生」を呟く積極的農家は
薄ら笑いで眺めることなど無く
「そうか、じゃ、負けてらんねぇな」
良い刺激を与えてくれました。







5.新しい不安




4月は曇りがちで推移しました。
最初の頃、あまり深刻には感じず
「こんなもんかなぁ」
と構えておりました。



ちょっと元気無いかなぁ。
時期的にこういう変化もあるのかなぁ。



せっかくの雨だから
子どもの学用品を買いに 小樽まで。
倶知安では十分に揃わず
特に学習資料は お粗末・チョロ松・じゅうし松。



久々の大型書店
もう嬉しくって ついついあれこれ貪り読む
買いたい本も幾つかあったけど
今はそんな ゆとりは無い
本って 高いからね、結構。



立読みお断りなら 座って読むか。
いやいや 最近の本屋はOKなんですよ。
ただ北海道人は本屋のマナーが悪く
このシステムがいつまで続いてくれるか
ちょっと心配です。
北海道の文化度、んん〜ん…

毎月1万円くらい本に使っていた頃が
懐かしいなぁ。



「雨の日は安心して出かけられるねぇ」
なんて呑気に言いながら
車を走らせていたのです。
その曇天・冷雨の怖さを 未だ知らず…。



おいっ、どうしたっ!?
まさかっ!!

これが低温による 活着不良か?
じゃぁ 昨日までの元気はなんだったのさ!
えっ、どうしよう!



曇天・冷雨で
地温が持ち堪えられなかった。
根が傷んだのです。
晴天続きなら どうってことない
でも そうじゃない時もある。

条件が揃ってない時に
如何に結果につなげられるか

もしくは揃わない条件を 如何に揃えるか

それが出来て初めてプロといえる
仕事の基本を 改め自覚できました。
傷んだ苗は全体の約1割
改植と葉面散布で対応し
いまは遅れを取り戻しつつあります。




今月も有難うございました。

皆さんの連休は如何でしたか?
里帰り、行楽、仕事…
色々な時間が流れたと思います。
こちらは農作業本格化とともに
天候もようやく春めいてきて
いよいよ体力勝負の時期を迎えました。



お陰様でメロン先発5棟は
無事に定植完了です。
順調に行けば この子たちは
7月10日から 皆様の元へ旅立ちます。
どうぞ御贔屓賜わりますよう
宜しくお願い致します。



さぁ、つぎはお盆休みを楽しみに
しばらく仕事に集中しましょうか!
3ヶ月後の息抜きまで
皆さんとともに 突っ走りたいと思います。





それではまた来月 お会いしましょう





 
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