小柴家の風景
'05年 7月 「あにはからんや」
いつの間にか8月になりました。
北海道より 小柴です。

梅雨明け後の猛暑はいかがでしょうか?
北海道にも南から湿った空気が流れ込んできて
内地の梅雨入りを思わせる気候が続いております。
といっても5月下旬から6月上旬程度の気候
つまりたいした湿潤ではないのですが。
爽やかな気候に慣れてきた身には
懐かしさを伴う湿度です。

7月は少しのんびり出来ました…
と言いたかったのですが、
あにはからんや
春作業の後は 管理と整備主体の夏作業。
時間の流れを忘れるほど あっという間に
流されていました。



管理・整備作業は 一見単調ながらも かなり忙しく
心理的プレッシャーが継続してきます。
自分でも驚いたのですが 今月は写真が少ない。
珍しいです、初めてです、こんなこと。

ということで今月は
少々淡白な月報をお送りします。
題して
「あにはからんや」
一体なにがこころを奪っていたか
どうぞお確かめください。



1.空を眺めて

この仕事、とにかく空を良く眺めます。
風を読むともいえます。
朝は その日の天気を予測し
昼は 天気の急変を警戒し
夕は 翌朝の最低気温に対応する。

これらはすべて 空から読み取ります。
天気予報、もちろん見ます。
1日に3〜4回、ネットで局地予報を確認します。
が、我が農場の天気は 自分たちで読むしかないのです。

霧立ち渡る 早朝4時。
空が白み始める時、ここ尻別川流域は真っ白な世界に包まれています。 そんな時でも霧の向こう側に、上空の様子を窺がいます。霧の向こうが薄ら明るいとか、一瞬の青みを感じさせるとか。
それを観て、ハウスの換気レベルを決めていきます。




ほら来た!
6時過ぎ、霧は一瞬で切れて、陽光がスーッと差し始めます。こうなってから換気をはじめても、遅い!
密閉されたビニールハウスの中は、温度上昇が急激です。10分で10℃上昇もあり得ます。朝はけっこう緊張を強いられるのです。
温度変化の激しい6時〜7時を私は 「魔の1時間」 と呼んでいます。(ほんんとかい?)





7時過ぎ、ここまで来たら一安心。
もう換気のレベルは安定してきます。
やっと朝仕事が過ぎたなぁ、と感じられる時間帯です。

空を眺めて…
なんとロマンチックな光景でしょうか。
でもですねぇ、これだけしてればその通りなのですが
温度記録、潅水、草刈り、業務整理etc,
と並行していると 油断できない緊張感があるのです。




2.最終ロット 進行中

本年の最終ロット、第5ロットが進行中です。
このロットは特別な意味を持ち、ことし確認した生産技術の総決算と位置付けています。私たちの勉強の成果を示す一作!と、なるはずです。
















これが着果の様子です。
この花を如何に良い状態で準備できるか、それがまず大切です。
状態が整っていないと、落ちます。
膨らみかけた雌花が首元から「ポロッ」ともげます
落果というのですが、この花を如何に良い状態で準備できるか
それがまず大切です。



私たちの雌花は、受粉能力、形状、果勢、などなど
もっと勉強することがあります。
不謹慎かもしれませんが
樹の求める条件作りが 楽しくてしようがありません。
「よおし、今度こそ!」
と思いながら、樹との対話を重ねていきます。


今年は5回の作付でした。
その一つ一つが全て異なる時期と環境でした。
でも樹が求める環境はどれも同じ。
それにどうやって近づけていくか
どうやって樹を騙くらかすか
よい子孫を残す気を起こさせるのに
種々のアプローチがあるのです。




3.息吹き

圃場では種々の芽が沸いてきます。
「萌芽」という言葉が好きなんです。
「萌える」という語感が、なんかこう柔らかくも力強く
奥深くも確固たる意思のようなものを感じさせる
それでいて 凛とした彩りを携えて。
それはまさに「命の息吹き」といえるでしょう。



その息吹きをもらうことが、農家の生業であります。
残念ながら芽吹いた命を選択させてもらい
さらに競争させて勝ち残ったものをいただく
それが仕事なのであります。



徹底的に優性遺伝のみを追及し
それ以外を排除し殲滅せしめる。
私たちの職、いや食は、
そのうえに成立っているのです。



ロマンティシズム と リアリズム を都合で使い分ける
人間はほんとに エゴイズム ですねぇ。









4.ハードル

借りている畑には、いくつかの問題があります。
どこの畑でも多かれ少なかれ問題はあり、「おらの畑は完璧さ!」という農家はまずいないでしょう。


に、してもだ! いまの畑は排水対策が急務です。もとは田圃、水を溜めるように造ってあります。一方で畑、これは水捌けが良いかどうかが大事です。
つまりだ! 手間をかけて田圃の構造を壊していき、水が溜まらないように変えていくのが必要なんです。



サブソイラー(長さ60cmにおよぶ鋼製の爪)で底の硬土層を破砕し、外周の畦を切開する。こうして雨水を溜めないように、何年もかけて畑に作り変えていくのです。




かぼちゃにとってのハードル、それは水だけでなくヒエもあります。
ヒエの猛威は既にお伝え済み。でも彼らの生命力は凄まじく、既に3度の中耕でも一向に衰えを見せません。
特にベッド際は機械力が入れず、薬も使いたくないし。人手に頼るしかないのです。その結果、ヒエのバリアに行く手を阻まれ包囲される かぼちゃ達。



突破!

ヒエのバリアを掻き分けてつくった突破口から
つる先が 現われ始めました。
畑が調整出来るまでの数年間
こうした手間とリスクを伴います。
私たちにとっての ハードルです。




5.メロン 予約開始


やっと、予約開始をご案内できるところまで参りました。
第1ロットも最終ステージに入り、いまのところ糖度乗りも順調に進んでいます。
8月6日現在で15度レベルに達した模様です。



でもまだ 「甘い 赤ウリ」状態
風味が豊かになるまで あと1週間ほど必要です。
その完熟期間を どうか割れないで保って欲しい。

外皮の我慢 と 果肉の熟成、そして樹の余力
この競争結果で 収穫日が決まります。
うーん、味がのるまで、割れないでくれぇ〜。








今月もありがとうございました。
あにはからんや 分かっていただけました?

生育環境を如何に安定させるか
細かく少しずつ 毎日続く管理作業
広い面積をも 延々こなす手作業
まことに根気が要ります。
ある意味 機械と化しています。
これに要する気力体力が 結構大したものだと
あにはからんや な訳でした。

夏の贅沢「赤肉メロン」に 多くの御予約をいただき
誠にありがとうございます。

お客様からの声掛けが何よりの励みとなっています。
メロンのご提供は 10月上旬まで 続きますので
ご利用のほど宜しくお願い申し上げます。


北海道も夏本番です。
台風がきて、大雨がとおり、強日射がふりそぞく
農作業もきつい日々が続いています。
作物の生命力に勇気付けられながら
日々の管理を行っています。
今シーズンも後半戦に突入です。
メロン同様、私たちもスタミナ切れとならぬよう
補給(食事は義務)と休養(分散した睡眠)を
上手に採り入れながら 熱い夏を送っております。
(我が代表と私、二人合わせて20kg減量!)

みなさんもどうぞ 良い夏休みをお迎えください。
今年の夏も 暑いぞ!
では来月報告をお楽しみに


 
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