小柴家の風景
'05年 6月 「怒涛の春」
今年も折返し点を過ぎましたが
如何お過ごしですか?
北海道より 小柴です。

今年の梅雨は空梅雨で水不足
なんて言っていたら 案の定
梅雨末期の集中豪雨が来たようですね。
皆さんのところでは大丈夫でしたか?

当方、「吹雪で行方不明」の危険が新たに増えましたが
「土砂崩れで行方不明」の危険は全く無くなりました。
ご存知のように北海道の地形は大らかなので
崩れるような場所に人は住まなくても済むのです。



経営初年度の春仕事が 無事過ぎました。
3月中旬から始まった春仕事
周囲の好奇の眼差しの中で
計画の大方を終えることが出来ました。
御声援 どうもありがとうございました。

今月は春仕事の総括として
「小柴家の風景」を お伝えします。
題しまして
「怒涛の春」
感覚的にはほんとうに 怒涛の責苦でした。
その波状攻撃をやり過ごして
ホッとひと息な我が家から
数々の写真とともに お送りいたします。
どうぞ お楽しみください。



1.定植作業

春作業とは、すなわち定植を目的とした一連の作業期間です。
すべての作物は種を播き、苗を立て、株を育て
彼らの身体や子孫を頂きます。
定植とは、本畑での株の一生の始まりです。

「メロン」



株養成30日を経て、本畑での90日の生涯が始まります。
定植翌日の早朝、このように葉がピンッと立っていれば、まずは第1関門通過です。整然と陽光を浴びる姿は、彼らの意思表示とも受取れる、そう思わせるほど力のある空気がこぼれてきます。







株がこれくらいにまとまるまでおよそ2週間。本畑の土に根が拡がり始めるのに必要な、我慢の時間です。4本の子づるがハッキリするこの2週間、株の今後を左右する大切な我慢です。









4本の子づるを2本に整理します。そして株周りに配置していきます。子づるはこうしてしばらくの間、株周りで生育を抑制されます。これは株周りで根を充実させるためです。人間に例えると社会人成りたての頃、職業人としての心掛けや取組みの基本を叩き込まれている頃でしょうか。ここで甘やかされると、充実の一生は望めません。



定植からおよそ30日、子づるはついに走り始めます。
株周りで根を充実させた後、満を持して走り始めます。それまでの鬱憤を晴らすかのように、ものすごい勢いで走り始めます。1日で10cm以上走る時もあります。かま首をググッと持ち上げて、メロンの株は走ります。





そして花を咲かせます。
子づるの先端を止められ、勢いに任せ走ってはいけないと悟った時、メロンは種の保存を始めます。先端を止めなければ、いつまでも雌花を咲かせません。年金が心配になり始めたとき、はたして種の保存行為が間に合うかどうか。人間様はどうでしょうね。



子を宿り、節の数が決められて、メロンは本気で成熟し始めます。
節と節の間を一生懸命に伸ばして、葉を目一杯に拡げて、子への栄養補給を図ります。会社でのポジションが見えた頃に子供が進学し始める、仕送りのため親は生活を切詰めて限られた給料を遣り繰りする。
あ〜、身につまされるゥ〜。





「かぼちゃ」


去年までソバが植えてあった転作田、今年からかぼちゃ畑になります。
水捌けを良くして、粗起しで土をほぐし、乾いたところで砕きます。こうして深い色になった土は、畑の雰囲気を活気付け人のこころを勇気付け、その匂いは胸の奥に染みこんできます。







畑を仕上げます。
これはマルチと言って植えるところをフィルムで覆い、地温と水分の維持と雑草抑制を図ります。こうして選択種の生育環境を整えるのです。









播種後5日目の朝、かぼちゃは芽を出しました。
お気づきでしょうがかぼちゃの周りに一緒に発芽したのは稗(ひえ)。既にこの時、生存競争は始まっているのです。土の中には、無限の種々雑多が埋もれています。







草原の輝き、普通の農家は絶対に見せない風景です。
草はこのように増殖します。昨年まで手入れが充分でなかった畑は、タップリと種を蓄えてこのように発芽させます。幾多の生存競争に勝ち残ってきた種だけに、その生命力は半端な強さじゃありません。畑を圧倒的な勢力で征服します。




もう一度トラクターを入れて土を起こし、生えた草を鋤き込みます。中耕と言います。およそ7反のかぼちゃ畑を中耕するのに、軽油30L超と4時間が必要です。農薬回避の代償は地球温暖化です。






「アスパラ」


来年からご提供予定のアスパラ。
なんとか圃場準備も間に合い、2年株を定植できました。2年株とは、養成2年目のこと、実は隣接地区の農家が余していたものを分けてもらったのです。品種も我が家が考えていたもので、申し分ありません。わずか100坪のハウス予定地に25トンの堆肥を投入し、来春の必勝を期します。






活着したか、2週間ほどして茎が現われ始めました。
この茎をいっぱい生やして、来年用の栄養を蓄えさせます。それにしても、ここにも稗。お気づきですか? 2年株ではマルチを使えないので、ひたすら手作業で抜くのみです。農家の基本は草取りにあり。しかも手で。



2.家族の時間

農家をやって「よかったぁ」と思える瞬間の一つに、家族と共有できる時間がまえより増えたことがあります。朝飯や晩飯、子供達と一緒に取れることも増えました。
(その代わり晩飯は8時過ぎになっちゃいますが)

誕生会



今月初めに次男の誕生日を、近所のペンション「ノルテ」で祝いました。
このペンション、3年前に単身訪ねてきた私が蘭越で最初にお世話になったところです。その後の私たち家族の歩みをすべて知っているのです。
ここのオーナー夫妻も脱サラで、50歳過ぎて大手バス会社の運行責任者を辞して自分の道を選んだのです。


何かと話題に制約を受ける土地で、ここでは じじぃ放談 として多岐にわたるテーマでお喋りできるのです。いい息抜きになります。


温泉につかり、御馳走をたらふく食べて、じじぃ放談がもたれている間、子供らも子供らなりの時間を楽しんでいます。温泉つきペンションで夕方貸切、いいでしょ?






大運動会


昨年もお伝えしましたが、北海道の運動会シーズンは春です。
昔の農村で言えば、田植えが終わった時期に地域親睦を兼ねて、というのが実情でしょうか。
いまはそれほど濃密な農村社会ではありませんが、都市部に較べれば充分すぎるほど濃密です。静岡で予備訓練されていた私たちには、順応の苦労はありませんでした。


































さてメインイベント、反省会です。
父兄の皆さんはこれを楽しみにボランティアをしているようなもの。お一人様500円で飲み放題、食べ放題。晩御飯抜きはあたり前、お昼の弁当も控えめにする人もいるようで。この席では先生方も酒の肴、面白いようにいじくられます。






2次会は校長先生宅。
完全にポケットマネーの宴会です。先生の奥さんもたいへんだぁ。でもけっこうお料理の腕もよく、余計にたいへんだぁ。みんなてんでバラバラに盛上がっていますので、またまたたいへんだぁ。








3.機械

避けては通れぬ道、それは機械の購入。
今年の春仕事を振り返り、来春への準備をしなければいけません。新品でそろえればお家1軒は建つでしょう。それを中古でコストカット。言うのはたやすいが、実際には運と縁に委ねられます。果たして如何なるや。




「これ、俺のだからな」
一つの肥料撒き機を囲んでお互いに牽制するのですが、分かりますか? この写真の中で既に4人(私を含めると5人)が火花を散らし始めております。バチバチッ!



まずジャンケンで選抜戦の火蓋が切って落とされます。
2列に並んで向かい合い、ジャンケンを重ねます。この時、自勢力と対決しないようにしなければいけません。つまり友人知人にお金を払い、サクラとしていっぱい潜り込ませているのです。







最後はくじ引きでケリをつけます。
ごく稀にですが、自分のサクラだらけのくじ引きになることもあります。
この選抜システムは公平と平等からはほど遠く、まことに原始的な発想と習慣で取り仕切られます。新規就農の辛さはこんなところにもあるのです。






「もう帰ろうか」
戦果も無くとぼとぼ歩きながら
ふとトラクターコーナーにもう一度目をやると
小柄な美人がひっそりと残っています。
彼女はさっき かなりの人気があったのですが
どうも良縁に恵まれなかったようです。
これは運命なのか、宿命なのか。
男の切ない使命感みたいなものを感じ
「君の人生を僕に預けてくれないか?」
なんてことをトラクターに言ったかどうか。





縁談成立、彼女は我が家に来ました。フロントローダー付き53ps、施設園芸農家にはベストな1台。お値段はロータリーを追加して約180万円。もし新品なら600万円超のお買物です。用意していた予算に対しても充分クリア。まことに耕運、いや幸運でした。







先に入手した年代モノ30ps、本体5万円で譲ってもらいました。これはトラクターというより自走式エンジンという用途。防除機や攪拌機など動力源を要する機材を背負って移動できる、汎用動力です。









ロータリーは「KOBASHI」、
私たちは   「KOSHIBA」。
駄洒落言ってる場合じゃありません。でもこれが今後の主力兵器、稼いで頂きます。






4.設備



施設園芸農家にとって大切なもの、それは水。
他の農家も同じように大切でしょうが
ハウス屋さんは余計な水を作物に吸わせません。
その分、欲しい時に欲しい量が無いとアウトなんです。
水分管理を手中に収める
これが生命線なのです。


























各個単独給水対応型 メロン潅水装置 諸元

定格出力  3相200V 2.2kW @1430rpm
ポンプ運転速度  3000rev/min
最大吐出圧力  300kPa
最大吐出流量  450L/min
実用吐出圧力  140kPa (単独給水)
実用吐出流量  280L/min(単独給水)
特別装備  プレッシャーリリーフバルブ付保護回路
          耐スラッジ 2”ポリエチレンパイプ
          液肥吸入ニードルバルブ







今月もありがとうございました。

ただいま商品のご案内が遅れていますこと
誠に申し訳ございません。
メロン」 「かぼちゃ」
この2品目で我がふあーむはスタートいたします。

メロン出荷開始は
8月中旬
かぼちゃ出荷開始は
9月下旬
を予定しております。
どうぞお引き立ての程、宜しくお願い致します。



ところで梅雨が明けそうですね。
もう少しの辛抱です、頑張ってください。
北海道は梅雨前線の北上に伴い
かなりの雨に見舞われています。

農作物は草と疫病との闘いを経て
実を成らせます。
土壌には種々雑多の菌や種子があり
それを選択して私たちは食を頂いております。
「小柴ふあーむの こども達」 を育て上げ
皆さんに御満足いただくのが
私たちの目的です。



栽培工程も最初の関門に差し掛かっています。
私たちの手間と愛情が結実できるよう
頑張ってまいります。
来月報告では安心して初メロンのご案内が出来るよう
代表とともに取組んでいきます。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

夏本番、みなさんもどうぞお体大切に
楽しい夏をお迎えください。
では来月報告をお楽しみに


 
発行    編集局 制作責任 小柴孝志
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